第三種電気主任技術者試験では、抵抗回路の合成抵抗を求める問題が頻繁に出題されます。しかし、ラダー回路のように複雑な形をした回路では、単純に直列・並列の公式を当てはめると計算結果が合わなくなることがあります。この記事では、ラダー回路で「和分の積」を使って計算すると間違った値になる理由や、正しい考え方について詳しく解説します。
ラダー回路とはどのような回路なのか
ラダー回路とは、はしご(ladder)のように抵抗が段階的につながった回路のことです。横方向の抵抗と縦方向の抵抗が組み合わされているため、見た目は直列と並列が複雑に入り混じった形になります。
第三種電気主任技術者試験では、このような回路の合成抵抗を求める問題が出題されることがあります。ポイントは、回路図を見た瞬間に公式を当てはめるのではなく、電流の流れる経路を確認することです。
特に注意が必要なのは、並列接続に見える部分でも、実際には端子間の条件によって単純な並列ではない場合があるという点です。
和分の積の公式が使える条件
2つの抵抗が完全に並列接続されている場合、合成抵抗は「和分の積」で求めることができます。式で表すと、R1とR2の並列合成抵抗は「R1×R2÷(R1+R2)」になります。
しかし、この公式が使えるのは、2つの抵抗の両端が同じ2点につながっている場合だけです。つまり、電流が同じ2つの分岐点から分かれて流れる構造でなければなりません。
例えば、一方の抵抗の途中に別の抵抗が接続されている場合、それは単純な並列回路ではありません。その状態で和分の積を使うと、実際の電流経路と違う計算になってしまいます。
ラダー回路で計算が合わなくなる原因
ラダー回路で計算が合わない主な理由は、回路の一部分だけを見て「並列」と判断してしまうことです。ラダー回路では、奥側の抵抗に流れる電流が手前側の抵抗の影響を受けるため、単純な並列計算ができない場合があります。
例えば、はしごのような回路で右端の抵抗2本だけを見ると並列に見えても、その左側に別の抵抗が接続されている場合、回路全体としては単純な並列ではありません。
このような場合は、まず一番端の部分から順番に簡単な回路へ変換していく必要があります。奥から手前へ処理することが、ラダー回路攻略の基本です。
ラダー回路の正しい合成抵抗の求め方
ラダー回路では、右端または回路の終端部分から計算を始める方法が一般的です。最も単純な直列・並列部分を探し、そこを1つの抵抗に置き換えていきます。
例えば、右端に抵抗Aと抵抗Bの並列部分がある場合、その部分だけを和分の積で計算します。その結果を新しい抵抗として考え、さらに左側の抵抗と組み合わせます。
このように少しずつ回路を簡単化していけば、複雑に見えるラダー回路でも最終的な合成抵抗を求めることができます。
第三種電気主任技術者試験で意識したいポイント
電気主任技術者試験の抵抗回路問題では、公式を暗記するだけでは対応できません。「その抵抗は本当に並列なのか」「端子は共通しているのか」を判断する力が重要になります。
問題を解く際には、回路図に電流の流れる道を書き込むと理解しやすくなります。電流がどこで分岐し、どこで合流するのかを見ることで、直列か並列かを正確に判断できます。
また、計算途中で不自然な数字が出た場合は、計算ミスだけでなく、そもそもの回路の見方が間違っている可能性があります。
まとめ
ラダー回路で和分の積を使って計算すると合わなくなる原因は、その部分が本当の意味で並列接続になっていない可能性が高いためです。
和分の積は便利な公式ですが、使える条件が決まっています。ラダー回路では端から順番に回路を簡単化し、直列・並列の条件を確認しながら計算することが重要です。
第三種電気主任技術者試験では、公式を使う前に回路構造を正しく読み取る力を身につけることで、複雑な電子回路や抵抗回路の問題にも対応できるようになります。


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