三角関数の加法定理では、cos(α−β)やsin(α−β)を求める問題がよく出題されます。しかし、公式を使って計算するだけではなく、「α−βとは図形的にどのような角なのか」を理解すると、符号や象限の判断がしやすくなります。
この記事では、αが第2象限、βが第3象限にある場合の角度の位置関係を図的にイメージしながら、tanの値からcos(α−β)を求める流れを詳しく解説します。
αとβがどの象限にあるかをまず確認する
三角関数の問題では、最初に角度がどの象限に存在するかを確認することが重要です。
条件は以下の通りです。
- π/2<α<π
- π<β<3π/2
π/2からπの間は第2象限なので、αは第2象限にあります。一方、πから3π/2の間は第3象限なので、βは第3象限にあります。
それぞれの象限では、sin、cos、tanの符号が決まっています。
| 象限 | sin | cos | tan |
|---|---|---|---|
| 第1象限 | + | + | + |
| 第2象限 | + | – | – |
| 第3象限 | – | – | + |
| 第4象限 | – | + | – |
したがって、αではtanα=-2になること、βではtanβ=3/4になることとも一致しています。
α−βを図で考えるとどうなるか
α−βは「αからβを引く角」です。ここで大切なのは、単純に角度の大きさだけを見るのではなく、始まりの方向からどれだけ回転したかとして考えることです。
単位円上では、角度は通常、x軸の正方向から反時計回りに測ります。αは第2象限、βは第3象限なので、βの方が大きな角度になります。
例えば、αを約116度、βを約252度だと考えると、
α−β=116度−252度=−136度
となります。
つまりα−βは時計回り方向の角度になります。これは、βからαへ戻る方向の角度と考えることもできます。
α−βはβを反対向きにしてαに足すと考える
角度の引き算は、図形的には「逆向きの角度を足す」と考えると分かりやすくなります。
つまり、
α−β=α+(−β)
です。
−βとは、βの回転方向を逆にした角度です。βが第3象限の角度なら、その逆回転は第1象限方向の角度になります。
このように考えると、α−βは「αの位置から、βとは反対方向へ回転した角度」と見ることができます。
tanの値からsinとcosを求める
次に、cos(α−β)を計算するために、αとβそれぞれのsin、cosを求めます。
まずαについて考えます。
tanα=-2なので、直角三角形で考えると、
tanα=対辺/隣辺=2/(-1)
と置けます。
第2象限ではsinは正、cosは負なので、
sinα=2/√5、cosα=-1/√5
となります。
次にβです。
tanβ=3/4なので、3-4-5の直角三角形を利用すると、
第3象限ではsin、cosともに負なので、
sinβ=-3/5、cosβ=-4/5
となります。
加法定理でcos(α−β)を求める
cosの差の公式は、
cos(α−β)=cosαcosβ+sinαsinβ
です。
求めた値を代入すると、
cos(α−β)=(-1/√5)(-4/5)+(2/√5)(-3/5)
となります。
それぞれ計算すると、
=4/(5√5)-6/(5√5)
=-2/(5√5)
したがって、
cos(α−β)=-2/(5√5)
となります。
符号を図で確認する方法
計算結果の符号が正しいかどうかは、α−βがどの象限にあるかを考えることで確認できます。
αは約116度、βは約252度なので、α−βは約−136度です。これは360度を足すと、224度になります。
224度は第3象限にあるため、cosは負になります。
実際の計算結果も負なので、図形的な判断と一致しています。
まとめ
三角関数でα−βを考えるときは、単なる数字の引き算ではなく、「角度の回転」として考えることが大切です。
α−βは、βを逆向きに回転させたものをαに加えると考えると、単位円上での位置関係が理解しやすくなります。
また、tanの値からsin、cosを求めるときは、必ず象限による符号を確認することで、加法定理の計算ミスを防ぐことができます。


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