ファンデルワールスの状態方程式は、理想気体の状態方程式では考慮されない分子間力や分子自身の大きさを補正した式です。圧力と体積に加えられる補正項には、それぞれ符号や比例関係に理由があります。この記事では、各補正項がなぜその形になるのかを分かりやすく解説します。
ファンデルワールスの状態方程式とは
理想気体では、分子同士の引力や分子の大きさを無視して考えます。しかし実際の気体では、分子間に引力が働き、分子自身も有限の大きさを持っています。
そのためファンデルワールスは、理想気体の状態方程式PV=nRTを修正し、圧力と体積に補正を加えました。
ファンデルワールスの状態方程式は、一般的に次のように表されます。
(P+a(n/V)²)(V−nb)=nRT
ここでaは分子間力による圧力補正、bは分子の大きさによる体積補正を表します。
圧力補正項が正になる理由
分子間には引力が働くため、実際の気体分子は互いに引き合っています。その結果、壁に衝突する分子の勢いが弱まり、観測される圧力は理想気体より小さくなります。
したがって、実際の圧力を理想気体の場合に近づけるためには、失われた分の圧力を加える必要があります。
そのため圧力補正項は+a(n/V)²となり、符号は正になります。
圧力補正項の答え方(20〜30文字程度)
分子間引力で圧力が低下する分を補正するため。
圧力補正項が物質量と体積の二乗に比例する理由
分子間力による影響は、分子同士の組み合わせの数によって決まります。分子数が多いほど、互いに引き合う組み合わせが増加します。
気体中の分子密度は物質量nを体積Vで割ったn/Vで表され、この密度が高いほど分子間力の影響は大きくなります。
そのため補正項は密度の二乗に比例し、a(n/V)²という形になります。
圧力補正項の比例関係の答え方(20〜30文字程度)
分子間力は分子密度の二乗に比例するため。
体積補正項の符号が負になる理由
実際の気体では、分子自身が体積を持っているため、容器の体積すべてを分子が自由に動けるわけではありません。
つまり、分子が運動できる有効な空間は、容器全体の体積より小さくなります。
そのため利用可能な体積を求めるには、分子自身が占める体積を引く必要があり、体積補正項はV−nbとなります。
体積補正項の答え方(20〜30文字程度)
分子自身が場所を占め自由な体積が減るため。
体積補正項が物質量に比例する理由
分子1個あたりが占める体積は一定と考えられるため、分子の数が増えれば占める体積も比例して増加します。
物質量nが増えるほど分子数も増えるため、分子自身が占める体積はnに比例します。
そのため体積補正項はnbという形で表されます。
体積補正項の比例関係の答え方(20〜30文字程度)
分子数は物質量に比例し占有体積も増えるため。
まとめ
ファンデルワールスの状態方程式では、実在気体に近づけるために圧力と体積へ補正を加えています。
圧力補正は、分子間引力によって圧力が小さく見えるため正の補正となり、分子密度の二乗に比例します。
体積補正は、分子自身が空間を占めるため利用できる体積が減少し、負の補正となります。また、分子数に比例するため物質量に比例します。


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