中和計算では、酸と塩基がどの比率で反応するのかを理解することが重要です。水酸化ナトリウムと硫酸の反応では、単純に物質量を同じにするのではなく、硫酸1molが放出する水素イオンの数を考える必要があります。この記事では、水酸化ナトリウム8.0gを過不足なく中和するために必要な2mol/L硫酸水溶液の体積を求める手順を、計算の流れに沿って解説します。
水酸化ナトリウムと硫酸の中和反応式を確認する
まず、中和計算を行うためには化学反応式を確認します。水酸化ナトリウム(NaOH)と硫酸(H₂SO₄)の反応式は次のようになります。
2NaOH + H₂SO₄ → Na₂SO₄ + 2H₂O
この式から、水酸化ナトリウム2molと硫酸1molが反応することが分かります。つまり、NaOHとH₂SO₄の物質量の比は「2:1」です。
水酸化ナトリウム8.0gの物質量を求める
次に、水酸化ナトリウム8.0gが何molなのかを求めます。物質量は「質量÷モル質量」で計算できます。
水酸化ナトリウムNaOHのモル質量は、Na=23、O=16、H=1なので、23+16+1=40g/molです。
したがって、水酸化ナトリウムの物質量は次のようになります。
8.0g ÷ 40g/mol = 0.20mol
つまり、8.0gのNaOHは0.20mol存在します。
必要な硫酸の物質量を反応比から求める
反応式より、水酸化ナトリウム2molに対して硫酸1molが必要です。
今回のNaOHは0.20molなので、必要な硫酸の量は次の計算で求められます。
0.20mol × 1/2 = 0.10mol
したがって、水酸化ナトリウム8.0gを完全に中和するには、硫酸が0.10mol必要です。
2mol/L硫酸水溶液の体積を求める
濃度と物質量の関係は、次の公式で表されます。
モル濃度(mol/L)=物質量(mol)÷体積(L)
今回は硫酸水溶液の濃度が2mol/Lなので、体積は次のように求めます。
体積(L)=物質量(mol)÷モル濃度(mol/L)
0.10mol ÷ 2mol/L = 0.050L
0.050LをmLに直すと、
0.050L × 1000 = 50mL
となります。
計算で間違えやすいポイント
中和計算でよくある間違いは、酸と塩基のmol数をそのまま同じにしてしまうことです。硫酸は1molあたり2個の水素イオンを出す二価の酸なので、NaOHとの反応比を考える必要があります。
例えば、塩酸(HCl)のような一価の酸であればNaOHと1:1で反応しますが、硫酸(H₂SO₄)は2個の水素を持つため、NaOH2molに対して硫酸1molという比になります。
このように、化学式を見るときは単なる数字ではなく、何個の水素イオンや水酸化物イオンが反応するのかを意識すると、中和問題を正確に解けるようになります。
まとめ
水酸化ナトリウム8.0gを2mol/Lの硫酸水溶液で中和する場合、まずNaOHの物質量を求めます。
NaOHは8.0g÷40g/mol=0.20molであり、反応比2:1から必要な硫酸は0.10molです。
そのため、2mol/L硫酸水溶液の体積は0.10mol÷2mol/L=0.050Lとなり、答えは50mLです。
中和計算では、①化学反応式を書く、②反応比を確認する、③物質量から体積を求める、という順番で解くことが基本になります。

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