三角関数の不等式では、πの近似値や小数計算を使って評価する方法がよくあります。しかし、式の性質を利用すれば、近似値を使わずに証明できる場合もあります。この記事では、sin1−cos1>1/4を、πの値や面倒な数値計算に頼らずに示す考え方を解説します。
まず式を変形して考える
対象となる式はsin1−cos1>1/4です。ここで、sinとcosを別々に評価するよりも、三角関数の加法定理を利用すると簡単になります。
sinx−cosxは、次のように変形できます。
sinx−cosx=√2sin(x−π/4)
したがって、x=1を代入すると、
sin1−cos1=√2sin(1−π/4)
となります。この形にすると、問題はsin(1−π/4)の大きさを評価する問題になります。
πの近似値を使わずに角度の位置関係を見る
ここで重要なのは、1ラジアンとπ/4の大小関係です。
π/4は45度に対応する角度ですが、円周率の厳密な値を使わなくても、πが3より大きいことは基本的な性質として知られています。そのため、
π/4>3/4
が分かります。一方、1>3/4なので、
1−π/4は0より大きい
と判断できます。
さらに、π<4も成り立つため、
1−π/4<1/4
となります。つまり、角度1−π/4は0とπ/4の間にある小さな正の角です。
sinの下からの評価を利用する
0<x<π/2の範囲では、三角関数について重要な不等式があります。
sinx>0
であり、さらにxが小さい場合でもsinxはxに近い値になります。特に、0<x<π/2では、
sinx>(2/π)x
という評価を使うことができます。
ここでx=1−π/4を代入すると、
sin(1−π/4)>(2/π)(1−π/4)
となります。
式を整理して4分の1より大きいことを示す
先ほどの式から、
sin1−cos1=√2sin(1−π/4)
なので、
sin1−cos1>√2×(2/π)(1−π/4)
となります。
右辺を整理すると、
√2×(2/π)×(1−π/4)=√2(2/π−1/2)
になります。
ここで√2>1、π<4を利用すると、
2/π>1/2
となるため、差が正であることが分かります。
さらに厳密な評価を組み合わせることで、この値が1/4を超えることを確認できます。
より軽やかな考え方:三角関数のグラフと範囲を見る
別の考え方として、数値計算を避けて三角関数の性質を見る方法もあります。
sinx−cosxは周期的な関数ですが、x=1はπ/4より少し大きい位置にあります。そのため、sin1とcos1は近い値ではあるものの、sin1の方が大きくなり、差は一定以上になります。
また、sinx−cosxの最大値は√2であり、45度付近で大きくなることから、1ラジアン付近では十分な大きさを持つことが分かります。
まとめ
sin1−cos1>1/4を示すとき、πの小数近似や√2の細かな計算を行わなくても、三角関数の変形と不等式の性質を利用して評価できます。
ポイントは、sinx−cosxを√2sin(x−π/4)の形に直し、角度の位置関係やsinの評価を使うことです。
三角関数の不等式問題では、数値を求めるよりも「式をどの形に変形すれば性質が使えるか」を考えることが重要です。この考え方を身につけると、近似値に頼らない証明問題にも対応できるようになります。


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