LEDを点灯させる回路を作る際、「電圧をLEDの順方向電圧(VF)に合わせれば抵抗器はいらないのでは?」と考えることがあります。しかし、LEDは電圧だけで制御する部品ではなく、流れる電流によって明るさや寿命が大きく変化する部品です。
この記事では、降圧コンバーターだけでLEDを駆動する場合の問題点や、抵抗器・定電流回路が必要な理由、安全にLEDを点灯させる方法について詳しく解説します。
LEDは電圧ではなく電流を制御する必要がある
LEDは一般的な抵抗負荷とは異なり、少し電圧が変化しただけで流れる電流が大きく変化する性質があります。
例えば、赤色LEDのVFが約2V、白色LEDのVFが約3Vだったとしても、「3Vをかければ必ず適切な電流になる」というわけではありません。LEDの個体差や温度によって電流値は変化します。
そのため、LEDを安定して点灯させるには、電圧を合わせるだけではなく、流れる電流を制限する仕組みが必要になります。
降圧コンバーターをLEDに直接接続する問題点
可変降圧コンバーターで出力電圧をLEDのVF付近に調整して接続する方法は、一見すると動作しそうに見えます。しかし、実際には安定した動作にならない可能性があります。
理由は、降圧コンバーターの多くは「一定の電圧を出力する回路」であり、「一定の電流を流す回路」ではないためです。
例えば、3.0Vに設定した降圧モジュールへLEDを接続した場合、最初は正常に点灯しても、LEDの温度上昇や電源電圧の変化によって電流が増加し、LEDが過熱して故障する可能性があります。
LEDに抵抗器を入れる理由
LED回路で抵抗器が使われる主な理由は、LEDに流れる電流を制限するためです。
例えば、5V電源でVFが2V、流したい電流が20mAのLEDを点灯する場合、抵抗値は以下のように計算できます。
抵抗値=(電源電圧-LEDのVF)÷電流
=(5V-2V)÷0.02A
=150Ω
この抵抗によって余分な電圧を受け持ち、LEDに流れる電流を安全な範囲に抑えることができます。
乾電池でLEDライトを改造する場合の注意点
乾電池を電源にするLEDライトでは、電池の電圧低下によって暗くなる問題があります。そのため、電圧を一定に保ちたいという考え方自体は間違っていません。
ただし、単純な降圧コンバーターではなく、LED用の定電流ドライバーを使用する方が適しています。
特に白色LEDを複数使用するライトや、高輝度LEDを使う場合は、電流制御機能を持つLEDドライバー回路を使うことで、電池電圧が変化しても明るさを安定させることができます。
降圧コンバーターを使えるケース
降圧コンバーターが全く使えないわけではありません。例えば、LEDモジュール側にすでに電流制限回路が内蔵されている場合や、LED用の定電流機能付きコンバーターを使用する場合は問題なく利用できます。
また、LEDではなく、LEDライト内部の制御基板へ供給する電源として降圧コンバーターを使う場合も適しています。
重要なのは、「LEDそのものへ電圧を合わせて供給する」のではなく、「LEDに流れる電流を適切に管理する」ことです。
定電流ダイオードとLEDドライバーの違い
定電流ダイオード(CRD)は、一定の電流を流すための部品であり、LEDの電流制限によく利用されます。ただし、必要な電圧降下があるため、電源電圧に余裕が必要です。
一方、LEDドライバーはスイッチング方式などを利用して効率よく電流を制御できるため、乾電池のような限られた電源でも有利です。
電池で長時間LEDを点灯させたい場合は、用途に合った定電流回路を選ぶことが重要です。
まとめ
LEDを降圧コンバーターだけで点灯させることは、電圧を合わせただけでは安全とは言えません。LEDは電圧ではなく電流管理が重要な部品だからです。
抵抗器を使う方法は簡単で確実ですが、電池電圧の変化による明るさ低下を防ぎたい場合は、定電流機能を持ったLEDドライバーを使用するのが適しています。
LEDライトを改造する場合は、「何Vをかけるか」だけではなく、「何mA流すか」を基準に回路を設計すると、LEDを長寿命で安全に使用できます。


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