六方最密充填構造の単位胞に含まれる粒子数の求め方をわかりやすく解説

化学

六方最密充填構造(hexagonal close-packed structure、hcp)は、金属結晶などで見られる代表的な結晶構造の一つです。高校や大学の化学・物理では、「単位胞の中に何個の粒子が含まれるか」を求める問題がよく出題されます。

しかし、六方最密充填構造は立方体の単位胞とは形が異なるため、粒子の数え方で迷いやすい構造です。この記事では、六方最密充填構造の単位胞中の粒子数をどのように計算するのか、考え方から具体的な計算方法まで解説します。

六方最密充填構造とはどのような構造か

六方最密充填構造とは、球状の粒子をできるだけ隙間なく並べた構造の一つです。1層目の粒子のくぼみに2層目の粒子を置き、さらに3層目を重ねることで形成されます。

粒子の並び方は「ABAB…」という周期になっています。これは、1層目をA、2層目をBとすると、3層目は再びAの位置に戻るという意味です。

代表的な金属では、マグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)などが六方最密充填構造をとります。

単位胞とは何か

単位胞とは、結晶構造を繰り返し並べることで全体を作ることができる最小の構造単位です。

単位胞の粒子数を求めるときは、単位胞の中に完全に含まれる粒子は1個として数え、面や辺、頂点を共有している粒子は共有割合を考えて数えます。

例えば、立方体の頂点にある粒子は8つの単位胞で共有されるため、1つの単位胞への寄与は1/8個になります。

六方最密充填構造の粒子数の数え方

六方最密充填構造の慣用単位胞は六角柱の形をしています。この六角柱の中にある粒子を、位置ごとに分けて数えることで粒子数を求められます。

まず、六角柱の上下の面にある頂点の粒子を考えます。六角形の頂点には合計12個の粒子がありますが、それぞれ3つの単位胞で共有されています。

したがって、上下合わせて12個の頂点粒子の寄与は、12×1/3=4個になります。

六方最密充填構造の単位胞中の粒子数の計算

次に、上下の六角形の中心にある粒子を考えます。上面と下面の中心にある粒子は、それぞれ2つの単位胞で共有されるため、寄与は1/2個ずつになります。

上下2個の中心粒子による寄与は、2×1/2=1個です。

さらに、六角柱内部の中央部分には完全に含まれる粒子が3個あります。この粒子は他の単位胞と共有されないため、そのまま3個として数えます。

以上を合計すると、六方最密充填構造の単位胞中の粒子数は次のようになります。

4個(頂点部分)+1個(上下中心部分)+3個(内部)=8個

ただし、教科書や問題によっては六角柱全体ではなく、六方最密構造を表す別の小さい単位胞を使用する場合があります。その場合、含まれる粒子数は2個として扱われることがあります。

なぜ答えが2個や6個などになる場合があるのか

六方最密充填構造では、「どの単位胞を選ぶか」によって粒子数の数え方が変わります。

結晶構造の説明では、六角柱の慣用単位胞を使う場合と、結晶格子を表す最小単位胞を使う場合があります。

そのため、問題文で「単位胞」と書かれている場合は、図で示されている単位胞の形を確認することが重要です。同じ六方最密充填構造でも、選ぶ単位胞によって数え上げる粒子数が異なります。

粒子数を求める問題を解くポイント

六方最密充填構造の粒子数計算では、まず粒子の位置を確認し、それぞれが単位胞にどの程度含まれているかを考えることが大切です。

「完全に内部にある粒子は1個」「面上の粒子は1/2個」「辺上の粒子は1/4個」「頂点上の粒子は共有数で割る」という基本ルールを覚えると、多くの結晶構造の問題に対応できます。

例えば、問題の図に六角柱が描かれている場合は、頂点・面・内部の粒子を順番に確認すると計算ミスを防ぐことができます。

まとめ

六方最密充填構造の単位胞中に含まれる粒子数は、単位胞の形によって数え方が変わります。

六角柱の慣用単位胞では、共有される粒子を割合で計算すると合計6個や8個として扱われる場合があります。一方、最小単位胞では2個として表されることがあります。

重要なのは、単位胞の形を確認し、各粒子がどれだけ単位胞に含まれるかを正しく数えることです。共有されている粒子を割合で考える方法を身につければ、六方最密充填構造の問題を安定して解けるようになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました