赤外線を利用した液面センサーでは、対象物の色や光の反射率によって測定誤差が発生することがあります。特に赤色のインクや液体は、使用する赤外線の波長によっては光を吸収したり透過したりするため、センサーが正しく液面を認識できない場合があります。
この記事では、赤色が赤外線センサーに与える影響、なぜ誤検出が起こるのか、そして人為的な補正を行う場合の考え方や注意点について解説します。
赤外線センサーが液面を検知する仕組み
赤外線を利用した液面センサーは、主に赤外線LEDから光を照射し、その反射光や透過光の変化を検出することで液体の有無や高さを判断しています。
例えば、タンク外部から赤外線を照射するタイプでは、液体がある部分と空の部分で光の通り方や反射の状態が変わることを利用します。
しかし、この方法では液体や容器の色、透明度、表面状態などが測定結果に影響します。そのため、すべての液体で同じ精度が得られるわけではありません。
赤いインクが赤外線測定に影響する理由
赤いインクは、人間の目で見る可視光では赤色を反射するため赤く見えます。一方、赤外線に対する性質は、見た目の色だけでは判断できません。
赤色の染料や顔料の種類によっては、近赤外線領域の光を吸収するものや、逆に透過しやすいものがあります。そのため、赤外線センサーでは液体が存在しているにもかかわらず、光学的には液体がないように見える場合があります。
つまり、「赤いから赤外線を反射しない」という単純な関係ではなく、使用している赤外線の波長とインク成分の組み合わせによって測定結果が変化します。
タンクのふたを開けてLEDを照らす補正は有効なのか
タンクのふたを開けてLEDなどで照明する方法は、状況によっては確認作業として役立ちます。しかし、赤外線液面センサーの誤差を補正する方法としては、必ずしも有効とは限りません。
理由は、センサーが測定しているのは人間が見ている明るさではなく、特定波長の光の反射や透過量だからです。可視光のLEDを照らしても、赤外線センサーの検出条件が変わるとは限りません。
例えば、目で見ると液面がはっきり確認できても、センサーが利用する赤外線が液体を透過してしまえば、センサー側では液面変化を検出できない可能性があります。
正しい補正方法はセンサー側の調整が基本
液面センサーの誤検出を改善する場合、一般的にはセンサーの感度調整やしきい値設定を変更します。
例えば、反射型センサーであれば、液体がある状態とない状態で受光量を測定し、その差が十分検出できるように検出レベルを設定します。
また、制御装置側で補正値を設定したり、複数回測定して平均値を取ることで、一時的な誤検出を減らす方法もあります。
赤外線センサーの誤検出を防ぐための対策
液体の種類によっては、赤外線方式そのものが適していない場合があります。その場合は、別方式のセンサーを検討することも重要です。
例えば、超音波式、静電容量式、圧力式、フロート式など、液体の性質に合わせた検出方式があります。
具体的には、色の濃い液体や光を吸収する液体では、光学式よりも超音波式や圧力式のほうが安定して測定できる場合があります。
実際の調整で確認すべきポイント
赤外線液面センサーを調整する場合は、まず実際に使用する液体を入れた状態で確認することが重要です。
水など透明な液体で調整した設定を、そのまま赤いインクなど別の液体に使用すると、光学特性の違いによって誤差が発生する可能性があります。
また、タンクの材質や厚み、外部光の影響、センサーと液面までの距離なども測定精度に影響します。そのため、実際の使用環境で調整することが大切です。
まとめ
赤いインクなどの色付き液体では、赤外線の吸収や透過特性によって液面センサーが誤検出することがあります。ただし、原因は単純な色ではなく、液体の光学特性とセンサーの波長の組み合わせによって決まります。
タンクのふたを開けてLEDを照らす方法は目視確認には役立ちますが、赤外線センサーの補正方法としては限定的です。基本的にはセンサーの感度調整やしきい値設定、必要に応じて検出方式の変更を行うことが適切です。
液面検知では、測定対象となる液体の性質を考慮してセンサーを選択し、実際の使用環境で調整することが安定した測定につながります。


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