日本の英語教育について考えるとき、「英語教師なのに英語を自由に話せないのはなぜなのか」と疑問に感じる人も少なくありません。特に海外で生活した経験がある人から見ると、学校の英語教師の会話力に物足りなさを感じる場面もあります。
しかし、英語教師になるために求められる能力は、単純な会話力だけではありません。この記事では、日本で英語教師になるための条件や、英語力と指導力の関係について詳しく解説します。
英語教師に求められる能力は会話力だけではない
英語教師というと、ネイティブのように自由自在に英語を話せる能力が必要だと思われがちです。しかし、学校教育における英語教師の役割は、単に自分が英語を話すことではありません。
教師には、生徒が英語を理解できるように文法や単語の仕組みを説明する力、学習方法を指導する力、つまずいている部分を見つける力などが求められます。
例えば、英語を母語として自然に話せる人が、必ずしも日本人に英語文法を分かりやすく教えられるとは限りません。英語を学習した経験がある日本人教師だからこそ、生徒がどこで困るのかを理解できる場合もあります。
日本の英語教師になるためには資格や試験が必要
日本の中学校や高校で英語を教えるためには、一般的に教員免許状を取得する必要があります。大学で教職課程を履修し、英語教育や教育実習などを経験した上で免許を取得します。
さらに、公立学校の教員になる場合は各自治体の教員採用試験に合格する必要があります。そのため、単に英語が話せるだけでは学校の英語教師になることはできません。
教員採用では、英語知識だけでなく、教育に関する知識、生徒への対応力、授業を組み立てる能力なども評価されます。
英会話能力と英語指導能力は必ずしも一致しない
英語を話す能力にはさまざまな種類があります。例えば、海外旅行で困らず会話できる能力、ビジネスで交渉できる能力、文法を分析して説明する能力は、それぞれ異なります。
学校の英語授業では、生徒に基礎的な文法や読解力、英作文能力を身につけさせることが重要なため、高度な日常会話能力だけが教師の評価基準になるわけではありません。
例として、数学教師が必ずしも世界トップレベルの数学研究者である必要がないのと同じように、英語教師にも「教える専門性」が求められます。
一方で英語教師自身の英語力向上も重要
ただし、英語教師に高い英語運用能力が必要ないという意味ではありません。現在では、実際に使える英語力を育てる教育への関心が高まり、教師自身にもより高いコミュニケーション能力が求められています。
特に、英語を聞く・話す力を重視する授業では、教師自身が自然な英語表現を扱えることが大きなメリットになります。
そのため、多くの英語教師は海外研修への参加、英語資格の取得、オンライン英会話などを通じて、自身の英語力向上にも取り組んでいます。
海外経験者が感じる英語力の差が生まれる理由
海外で生活した経験がある人は、日常的に英語を使う環境にいるため、会話力が大きく伸びやすい傾向があります。一方、日本国内で英語を学び教えている教師の場合、英語を使う機会が限られることがあります。
そのため、海外生活経験者が感じる「英語を話す力の差」は、能力の問題だけではなく、英語を使う環境の違いによって生まれることもあります。
例えば、毎日英語を使う職場で働く人と、授業や教材研究で英語に触れる人では、身につく英語の種類が異なります。
まとめ
英語教師が必ずしもネイティブレベルの会話力を持っているとは限りませんが、それには日本の教育制度や教師に求められる役割が関係しています。
英語を教える仕事では、話す力だけでなく、文法を説明する力、生徒を理解する力、授業を作る力など幅広い能力が必要です。
一方で、これからの英語教育では実践的な英語力もより重要になっており、教師自身が継続的に英語力を高めていくことも求められています。


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