有理数をある自然数で割ったとき、結果がどのような数になるのかは、分数の性質を理解するうえで重要なテーマです。特に、2のn乗という形の数で割る場合、必ず整数または有限小数になるという性質があります。
この記事では、有理数xと自然数nについて、xを2のn乗で割った結果がなぜ整数または有限小数になるのかを、分数の形と10進数表示の仕組みからわかりやすく証明します。
有理数とは何かを確認する
まず、有理数とは整数の比で表すことができる数のことです。つまり、ある整数a、b(ただしbは0ではない)を用いて、x=a/bと表すことができます。
例えば、1/3、5/7、-2などはすべて有理数です。整数も分母を1と考えれば有理数に含まれます。
今回の問題では、有理数xを2のn乗で割るため、xを次のように表します。
x= a/b
ここでa、bは整数、b≠0とします。
xを2のn乗で割った形を考える
xを2のn乗で割るとは、
x÷2n
を計算することです。
x=a/bなので、
(a/b)÷2n=a/(b×2n)
となります。
つまり、分母には元々の分母bに加えて、2のn乗が掛けられた形になります。
分母に2だけが含まれる場合は有限小数になる
有限小数になる条件は、分数を約分した後の分母が2または5だけの積で表されることです。
例えば、1/8は次のように表せます。
1/8=1/23=0.125
これは有限小数になります。
また、1/16も、
1/16=0.0625
となり有限小数です。
これは10という数が2×5でできているため、分母に2しかない分数は分母と分子に5を掛けることで、分母を10の累乗に変えられるからです。
一般の有理数の場合の注意点
ここで重要なのは、「どんな有理数xでも、2のn乗で割れば必ず有限小数になる」という主張は、そのままでは正しくないという点です。
例えば、x=1/3の場合を考えます。
1/3÷2=1/6
となりますが、1/6は0.1666…と循環小数になります。
つまり、元の有理数の分母に2や5以外の素因数が含まれている場合、2のn乗で割っても有限小数にはならないことがあります。
正しい性質と証明
したがって、正しく成り立つのは「整数または有限小数である有理数を2のn乗で割った場合、結果も整数または有限小数になる」という性質です。
証明を考えます。xが整数または有限小数であるとき、xは分母が10のk乗である分数として表せます。
x=a/10k
と書けます。ここでaは整数です。
これを2nで割ると、
(a/10k)÷2n=a/(10k×2n)
となります。
10k×2n=(2×5)k×2n=2k+n×5k
なので、分母には2と5しか含まれません。
よって、この分数は有限小数として表すことができます。もし割った結果が1以上の整数になる場合は、もちろん整数となります。
具体例で確認する
例えば、0.75を23で割ってみます。
0.75÷8=0.09375
となり、有限小数になります。
一方で、1/3を8で割ると、
1/3÷8=1/24=0.041666…
となり、有限小数ではありません。
この違いは、元の数の分母に3という素因数が含まれているためです。
まとめ
「有理数を2のn乗で割ると必ず整数または有限小数になる」という命題は、すべての有理数については成立しません。
正しくは、元の有理数が整数または有限小数である場合、2のn乗で割っても整数または有限小数になるという性質です。
証明のポイントは、有限小数は分母を10の累乗で表せること、そして10は2と5からできているため、2の累乗を掛けても分母に2と5以外の素因数が現れないことです。


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