PAS・PGS・UAS・UGSのSOG制御装置試験でDGR試験器の電源をP1・P2から取る方法と注意点

工学

高圧受電設備の保守点検では、PAS・PGS・UAS・UGSなどのSOG制御装置付き高圧開閉器に対して、地絡方向継電器(DGR)の試験や開閉器との連動確認を行う機会があります。

その際、SOG制御装置のP1・P2端子からDGR試験器用の110V電源を供給できるのか、またその方法が適切なのかについて疑問を持つ技術者も少なくありません。この記事では、SOG制御装置の電源構成、試験時の考え方、実施する際の注意点について解説します。

SOG制御装置とDGR試験で使用する電源の関係

SOG制御装置とは、高圧受電設備において地絡事故や短絡事故を検出し、高圧開閉器を開放するための制御装置です。PAS(柱上気中負荷開閉器)やPGS(柱上ガス開閉器)、UAS・UGSなどに組み込まれています。

DGR試験では、地絡方向継電器が正常に動作するか確認するため、試験器から試験電流や試験電圧を入力します。その際、試験器自体を動作させるための電源が必要になります。

現場によっては、SOG制御装置のP1・P2端子から110V電源を取り出してDGR試験器を動作させる方法が検討されることがあります。

P1・P2端子からDGR試験器の電源を取る場合の考え方

P1・P2端子は、一般的にはSOG制御装置へ制御電源を供給するための端子です。そのため、ここから試験器用電源を取る場合には、電源容量や回路構成を確認する必要があります。

特に注意すべき点は、P1・P2から供給される電源が、SOG制御装置の動作を目的として設計されているということです。DGR試験器は機種によっては瞬間的に電力を必要とするため、制御用電源の容量を超える可能性があります。

例えば、小容量のVT(計器用変圧器)から供給される電源では、制御装置のみなら問題なくても、試験器を接続すると電圧降下や動作不良が発生する場合があります。

VT容量とDGR試験器の消費電力を確認する重要性

DGR試験器をSOG制御装置の電源から使用する場合、最も重要なのはVTや電源回路の容量確認です。

VTには定格容量(VA)があり、その範囲内で使用する必要があります。SOG制御装置自身の消費電力に加えて、試験器の消費電力も考慮しなければなりません。

例えば、VT容量が十分でない状態で試験器を接続すると、試験中に電圧が低下して誤動作したり、本来確認すべき保護継電器の特性試験が正しく行えない可能性があります。

開閉器との連動試験を行う場合の注意点

P1・P2から電源を取る方法が検討される理由の一つに、DGR試験器からの信号を利用してSOG開閉器との連動試験を行いやすくする目的があります。

UASやUGSでは振動検出などを利用して開閉器動作を確認できる場合がありますが、PASやPGSでは構造上、同じ方法が使えないことがあります。

ただし、試験方法を変更する場合は、メーカー指定の試験方法や端子仕様を確認することが重要です。制御信号を無理に変更すると、SOG制御装置や開閉器の誤動作につながる可能性があります。

DGR試験器用電源としてUPSを使用する方法

DGR試験器の電源として、専用のUPSを使用する方法も一般的です。質問例にあるような500VAクラスのUPSなどを利用することで、SOG制御装置側の電源容量を気にせず試験を行えます。

UPSを使用するメリットは、試験器へ安定した電源を供給できることです。特に古い設備やVT容量が不明な設備では、安全な試験環境を確保しやすくなります。

一方で、UPSを使用する場合でも、試験器メーカーが推奨する電源条件や接続方法を確認することが大切です。

現場で安全に試験を行うためのポイント

SOG制御装置の試験では、単純に電源が取れるかどうかだけではなく、設備全体の構成を理解することが重要です。

確認すべき項目として、VT容量、SOG制御装置の仕様、DGR試験器の消費電力、試験時の接続方法、開閉器との連動確認方法などがあります。

特に高圧設備では、誤った接続が停電や機器損傷につながる可能性があります。そのため、メーカー資料や設備図面を確認し、必要に応じて電気主任技術者や経験者と相談しながら作業することが望まれます。

まとめ

PAS・PGS・UAS・UGSなどのSOG制御装置で、P1・P2端子からDGR試験器の電源を取る方法は理論上検討できますが、必ず電源容量や回路構成を確認する必要があります。

特にVT容量が不足している場合、試験器の動作不良や正確な試験ができない原因になるため注意が必要です。

安定した試験を行うためには、設備条件に応じてUPSなど外部電源を使用する方法も有効です。重要なのは、単に電源を確保することではなく、安全かつ正確にSOG保護機能を確認できる試験方法を選択することです。

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