tanθが−π/2<θ<π/2ですべての実数値をとる理由をわかりやすく解説

高校数学

三角関数のtan(タンジェント)について学ぶと、「−π/2<θ<π/2の範囲ですべての実数値をとる」という説明に疑問を持つことがあります。0≦θ<2πの範囲で考える場合とは見た目が大きく異なるため、理解しにくい部分です。

この記事では、なぜtanθが−π/2<θ<π/2の範囲でもすべての実数値をとるのか、グラフや単位円の考え方を使って分かりやすく解説します。

tanθの値が表しているもの

tanθは、直角三角形では「高さ÷底辺」で表される比であり、単位円では点の座標を利用して考えることができます。

単位円上の点を(cosθ,sinθ)とすると、tanθは次のように表されます。

tanθ=sinθ÷cosθ

つまり、tanθは円周上の点の縦方向の大きさと横方向の大きさの比を表しています。

−π/2<θ<π/2の範囲とはどこなのか

−π/2<θ<π/2という範囲は、角度でいうと−90度より大きく90度より小さい範囲です。

この範囲では、θが0のときtan0=0になります。そしてθが正の方向へ近づくほどtanθは大きくなり、θが負の方向へ近づくほどtanθは小さくなります。

重要なのは、θがπ/2や−π/2に近づくときのtanθの変化です。

θがπ/2に近づくとtanθは無限に大きくなる

tanθはsinθ÷cosθで表されます。θがπ/2に近づくと、sinθは1に近づきます。

一方、cosθは0に近づいていきます。そのため、tanθは「1に近い数÷0に近い小さい数」となり、非常に大きな値になります。

例えば、θが89度に近づくとtanθは非常に大きな正の値になります。そしてθがπ/2に限りなく近づくと、tanθは正の無限大へ向かいます。

θが−π/2に近づくとtanθは無限に小さくなる

逆に、θが−π/2に近づく場合を考えます。このときもcosθは0に近づきますが、sinθは負の値になります。

そのため、tanθは非常に小さな負の値になります。θが−π/2に限りなく近づくと、tanθは負の無限大へ向かいます。

つまり、−π/2からπ/2までの間でtanθは、−∞から+∞まで途切れることなく変化します。

なぜすべての実数値をとると言えるのか

実数とは、正の数、負の数、0、小数、無理数などを含むすべての数のことです。

−π/2<θ<π/2では、θを少しずつ変化させることで、tanθは非常に小さい値から非常に大きい値まで連続的に変化します。

例えばtanθ=1になる角度も存在し、tanθ=10になる角度も存在します。またtanθ=−5になる角度も存在します。

このように、どんな実数kに対してもtanθ=kとなるθがこの範囲内に存在するため、「すべての実数値をとる」と表現されます。

0≦θ<2πの場合との違い

0≦θ<2πでは、円を1周する範囲で角度を考えています。しかし、tanθは周期πの関数です。

つまり、πごとに同じ値を繰り返します。そのため、1周分の範囲を考えなくても、−π/2<θ<π/2という半分の範囲だけで全てのtanの値を表すことができます。

むしろこの範囲は、tanθの基本的な性質を見るうえで最も分かりやすい範囲と言えます。

まとめ:tanθは−π/2<θ<π/2で全実数を表せる

tanθが−π/2<θ<π/2ですべての実数値をとる理由は、両端でtanθが無限大へ向かい、その間を連続的に変化するからです。

θが−π/2に近づけばtanθは−∞へ、θがπ/2に近づけばtanθは+∞へ向かうため、その間にあるすべての実数が現れます。

tanの性質を理解するときは、単位円やグラフを利用して「角度の変化に対して値がどのように動くか」を見ることが重要です。

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