B種接地工事とは?中性点がない変圧器の接地方法やデルタ結線との関係を解説

工学

B種接地工事は、高圧または特別高圧の電路と低圧電路を結ぶ変圧器において、低圧側の中性点などに施される重要な接地方式です。しかし、「中性点がない場合は低圧側の一端子に接続する」と聞くと、なぜ地絡が起きないのか、デルタ結線の場合はどうなるのかなど疑問に感じることがあります。この記事では、B種接地の目的や変圧器の結線方式との関係について詳しく解説します。

B種接地工事の目的とは

B種接地工事は、高圧側と低圧側が電気的に結合している変圧器において、低圧側へ高い電圧が侵入することを防ぐために行われます。

例えば、高圧側の電線が何らかの原因で変圧器内部の低圧側へ接触した場合、低圧回路に高電圧が現れる危険があります。その際、低圧側を接地しておくことで故障電流を安全に大地へ流し、保護装置を動作させることができます。

つまりB種接地は、通常運転時に電流を流すためのものではなく、変圧器事故などの異常時に人や設備を守るための保護接地です。

中性点がある場合にB種接地を行う理由

三相交流のスター結線(Y結線)の二次側では、中性点を取り出すことができます。この中性点は三相電圧の基準となる点であり、ここにB種接地を施すのが一般的です。

例えば、三相4線式の低圧配電では、中性線を利用して単相負荷へ電力を供給します。この中性点を接地することで、各相の対地電圧を安定させることができます。

また、地絡事故が発生した場合には、接地された中性点を経由して故障電流の通路が形成され、過電流保護装置などを適切に動作させることができます。

中性点がない場合に低圧側の一端子へ接地する理由

変圧器の二次側がデルタ結線(Δ結線)の場合、スター結線のような中性点は存在しません。そのため、B種接地を行う場所として低圧側の一端子を接地する場合があります。

この場合でも、接地した端子は低圧側の電位を大地に対して一定に保つ役割を果たします。接地したからといって通常時に大きな電流が流れるわけではありません。

質問のように「一端子を接地すると地絡になるのではないか」と考えがちですが、地絡とは本来、電線などの充電部分が意図せず大地や接地された金属部分へ接触する事故を指します。あらかじめ計画的に接地された端子は、正常な電路の一部として扱われます。

二次側に中性点がない変圧器はデルタ結線なのか

二次側に中性点がない代表的な例はデルタ結線です。デルタ結線では三つの巻線が三角形状につながっており、スター結線のような中心点がありません。

一方、スター結線では3つの巻線の接続点が中性点となるため、必要に応じて中性線を取り出すことができます。

結線方式 中性点 B種接地の例
スター結線(Y結線) あり 中性点を接地
デルタ結線(Δ結線) なし 低圧側一端子を接地する場合がある

ただし、実際の設備では単純にデルタだから必ず一端子接地というわけではなく、電圧方式や設備構成、接地方式の規定によって決まります。

高圧変圧器はデルタ・スター結線が一般的なのか

高圧受電設備で使用される変圧器では、一次側と二次側で異なる結線方式を組み合わせることが多くあります。その代表例がデルタ・スター結線です。

例えば、高圧側をデルタ結線、低圧側をスター結線にすることで、低圧側に中性点を設けることができ、単相負荷への供給やB種接地を行いやすくなります。

ただし、すべての高圧変圧器が必ずデルタ・スター結線というわけではありません。用途や系統条件によって、スター・デルタ結線やその他の方式も使用されます。

B種接地を理解するためのポイント

B種接地で重要なのは、「接地することで故障を起こす」のではなく、「異常時に安全な電流経路を作る」という考え方です。

中性点がある場合は、その基準点を接地します。中性点がない場合は、規定された方法で低圧側の端子を接地し、低圧側の電位を安定させます。

変圧器の結線方式、接地方式、保護装置の関係を理解すると、B種接地がなぜ必要なのかを正しく理解できます。

まとめ:B種接地は変圧器事故から低圧設備を守るための重要な接地

B種接地は、高圧と低圧を結ぶ変圧器で、高圧側の異常が低圧側へ影響することを防ぐために設けられています。

スター結線では中性点を接地するのが一般的ですが、デルタ結線などで中性点がない場合には低圧側の一端子を接地する方式が用いられることがあります。

高圧変圧器ではデルタ・スター結線が多く採用されていますが、設備条件によってさまざまな結線方式が存在します。B種接地を理解するには、接地そのものだけでなく変圧器の結線方式や保護の考え方を合わせて理解することが大切です。

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