二次形式の制約付き最小化問題の解き方|楕円領域と菱形領域での最小値計算を解説

大学数学

大学数学では、二次式を一定の領域内で最小化する問題がよく登場します。特に、円形の制約 x²+y²≤K や、ひし形の制約 |x|+|y|≤K のような条件が付いた場合、単純に偏微分して停留点を求めるだけでは不十分で、領域の境界も考える必要があります。

この記事では、f(x,y)=2x²-2xy+4y²-6x+8y の最小値を求める考え方を通して、制約付き二変数関数の最小化方法をわかりやすく解説します。

まず二次式の形を整理する

与えられた関数は、
f(x,y)=2x²-2xy+4y²-6x+8y
です。

二次形式の部分を見ると、x²、xy、y²の係数から、下に凸な二次関数になっています。そのため、制約がなければ偏微分して極小点を求めることで最小値を調べることができます。

偏微分すると、
∂f/∂x=4x-2y-6
∂f/∂y=-2x+8y+8
となります。

これらを0とおくと、
4x-2y-6=0
-2x+8y+8=0
となり、連立方程式を解いて
x=4/3、y=-1/3
を得ます。

したがって、制約が十分大きい場合は、この点が最小値を与えます。

x²+y²≤K の円形領域での最小値

円形の領域 x²+y²≤K では、まず先ほど求めた停留点 (4/3,-1/3) が領域内に含まれるかを確認します。

この点の距離の二乗は、
(4/3)²+(-1/3)²=16/9+1/9=17/9
です。

つまり、K≥17/9 の場合は停留点が円の内部に存在するため、この点で最小値になります。

実際に値を代入すると、
f(4/3,-1/3)=-13/3
となります。

一方、K<17/9 の場合は停留点が領域外にあるため、円周上 x²+y²=K で最小値を探します。

この場合はラグランジュの未定乗数法を用います。条件
g(x,y)=x²+y²-K=0
を設定し、
∇f=λ∇g
を解くことで境界上の候補点を求めます。

つまり、円形領域では「内部の極小点」と「円周上の最小値候補」の両方を比較することが重要です。

|x|+|y|≤K の菱形領域での最小値

次に、|x|+|y|≤K の条件を考えます。この領域は正方形を45度回転させたような菱形になります。

この場合も、まず停留点 (4/3,-1/3) が領域内にあるか確認します。

|4/3|+|-1/3|=5/3

したがって、K≥5/3 なら停留点は領域内にあり、最小値は -13/3 になります。

K<5/3 の場合は、菱形の境界上で最小値を探す必要があります。

菱形の境界は4つの直線で表せます。

  • x+y=K
  • x+y=-K
  • x-y=K
  • x-y=-K

それぞれの直線上に関数を代入して、一変数関数として最小値を調べます。

例えばx+y=Kなら、y=K-xとして代入し、
f(x,K-x)
という形の二次関数を考えます。

各辺で得られた最小値と頂点での値を比較することで、領域全体での最小値が決定できます。

制約付き最小化問題で重要な考え方

この種類の問題では、最初から境界だけを調べたり、逆に偏微分だけで終わらせたりすると間違える可能性があります。

基本的な流れは以下のようになります。

  1. まず制約なしの極小点を求める
  2. その点が領域内にあるか確認する
  3. 領域外なら境界上で最小値を探す
  4. 候補を比較して最小値を決定する

例えば山の形をした二次関数の谷底が、円や四角形の範囲内にあるなら谷底が答えになります。しかし谷底が範囲外なら、登山道の端(境界)で一番低い場所を探す必要があります。

まとめ|二次形式の最小値は内部と境界の両方を見る

二変数二次関数の制約付き最小化では、まず停留点を求め、その点が条件を満たしているか確認することが基本です。

x²+y²≤K の場合は円、|x|+|y|≤K の場合は菱形というように、制約領域によって境界の調べ方が変わります。

今回の関数では、停留点 (4/3,-1/3) が重要な基準となり、円の場合はK≥17/9、菱形の場合はK≥5/3で内部最小値 -13/3 が得られます。制約が小さい場合は、それぞれの境界上で計算することが解法のポイントになります。

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