2S2Pの18650リチウムイオン電池を充電するICの選び方|セルバランス内蔵でマイコン不要の充電回路を解説

工学

18650リチウムイオン電池を2直列2並列(2S2P)で使用する場合、単セル用の充電ICではなく、2セル直列用に対応した充電制御ICや充電モジュールを選択する必要があります。特にセルバランス機能を内蔵し、マイコン制御なしで動作させたい場合は、ICの対応セル数や保護機能を確認することが重要です。本記事では、2S2P構成の18650バッテリーを安全に充電するためのIC選定ポイントや、実用的な回路構成について解説します。

2S2Pの18650バッテリー構成を理解する

18650リチウムイオン電池の「2S2P」とは、2本を直列(Series)、2本を並列(Parallel)に接続した構成を意味します。

2S2Pの場合、電圧は直列接続によって2セル分になります。一般的な18650セルでは、満充電時の電圧は1セルあたり4.2Vなので、2S構成では最大8.4Vまで充電する必要があります。

一方、2P部分は容量を増やすための並列接続です。同じ種類・同じ状態のセルを並列に接続することで、容量は2倍になります。例えば、3000mAhの18650を2Pにすると約6000mAhの容量になります。

2S2Pの充電では専用の2セル用充電ICが必要

2S2Pの18650を充電する場合、充電制御は2直列セル用(2S対応)のものを選ぶ必要があります。1セル用の充電ICでは最大4.2Vまでしか制御できないため、2Sバッテリーには使用できません。

2Sリチウムイオンバッテリーの充電では、CC(定電流)とCV(定電圧)の制御を行い、合計8.4Vになるまで安全に充電します。

また、2S構成では各セルの電圧差が発生する可能性があります。そのため、長期間安全に使用するにはセルバランス機能や過充電保護機能を備えた回路が適しています。

セルバランス内蔵でマイコン不要な充電ICの選び方

マイコンを使わずに充電したい場合は、アナログ制御で動作するバッテリーチャージICや、保護回路付き充電モジュールを選択します。

選定時に確認したい主なポイントは以下の通りです。

  • 2セル直列(2S)に対応していること
  • 8.4V充電制御に対応していること
  • セルバランス機能またはバランス回路を搭載していること
  • 過充電・過放電・過電流保護機能があること
  • 使用する18650セルの最大充電電流に対応していること

特に注意したいのは、「充電IC」と「バッテリー保護IC」は役割が異なる点です。充電ICは充電電流や電圧を制御する部品であり、保護ICは異常時にセルを保護する部品です。

2Sリチウムイオン用でよく使われるIC・回路例

2Sバッテリー向けには、専用の充電管理ICや保護ICを組み合わせた構成が一般的です。代表的な考え方として、充電制御ICと2S用バッテリー保護ICを組み合わせる方法があります。

例えば、2Sリチウムイオン保護ICとしては、過充電・過放電・過電流保護を行うICが利用されます。また、充電制御については8.4V出力に対応した充電ICや充電モジュールを使用します。

市販の2S用充電モジュールでは、充電ICと保護回路、セルバランス回路が一体化されたものもあり、マイコンなしで利用できます。電子工作用途では、このような完成済みモジュールを利用すると回路設計の難易度を下げられます。

セルバランス機能が必要な理由

2S以上のリチウムイオンバッテリーでは、各セルの電圧を均等に保つことが重要です。例えば、2本の直列セルのうち片方だけが4.2Vに到達している状態で充電を続けると、そのセルだけが過充電になる危険があります。

セルバランス回路は、電圧が高くなったセルの電力を少し消費することで、各セルの電圧差を小さくします。

ただし、一般的な小型バランス回路は大きな電流を流して均等化するものではありません。そのため、組み合わせる18650セルは、同じメーカー・同じ型番・同じ使用状態のものを使用することが基本です。

2S2P充電回路を作る際の注意点

18650リチウムイオン電池は高いエネルギーを蓄えるため、充電回路の設計や組み立てには十分な注意が必要です。

特に並列接続するセルは、接続前に電圧をそろえる必要があります。電圧差が大きいセル同士を直接並列接続すると、大きな突入電流が流れて発熱やセルの損傷につながる可能性があります。

また、充電器の入力電圧や充電電流も確認が必要です。例えば、2S18650を8.4Vで充電する場合、9Vや12Vの電源を使用できるかどうかは充電ICの仕様によって異なります。

用途別に考えるおすすめの構成

簡単な電子工作や試作であれば、2Sリチウムイオン対応の充電・保護一体型モジュールを使用する方法が適しています。配線だけで使用でき、マイコンも不要です。

一方、製品組み込みや長期間使用する機器では、充電IC、保護IC、バランス回路を個別に設計し、必要な充電電流や安全基準に合わせて構成することが望ましいです。

例えば、小型LEDライトやポータブル機器では2S用保護付き充電モジュールが利用しやすく、大容量機器では専用のバッテリーマネジメントICを採用するケースが多くあります。

まとめ:2S2Pの18650充電では8.4V対応とセル管理が重要

2S2P構成の18650リチウムイオン電池を充電する場合、単セル用ではなく2セル直列(2S)対応の充電ICや充電モジュールを選ぶ必要があります。

マイコン不要で簡単に使用したい場合は、セルバランス機能や保護回路を内蔵した2S用充電モジュールが適しています。ただし、安全に使用するためには、使用する18650セルの種類をそろえ、充電電圧8.4Vや保護機能の仕様を確認することが大切です。

充電回路を選ぶ際は、「2S対応か」「セルバランス機能があるか」「必要な充電電流に対応しているか」という3点を確認すると、用途に合ったICやモジュールを選択できます。

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