高校生になっても8+6や13-7のような簡単な足し算や引き算で指を使ったり、筆算が必要になったりすると、「自分はおかしいのではないか」「何か問題があるのではないか」と不安になることがあります。しかし、暗算の速さと数学的な能力は必ずしも同じではありません。この記事では、足し算引き算が苦手に感じる理由や、計算力を高めるための考え方について詳しく解説します。
暗算が苦手でも数学が得意な人はいる
計算の速さは、数学的な理解力とは別の能力です。数学では、論理的に考える力、問題の構造を理解する力、公式を使う力など多くの能力が関係しています。
そのため、数学の難しい問題は解けるのに、単純な足し算や引き算だけ苦手という人は珍しくありません。
例えば、複雑な微分方程式の考え方を理解できる人でも、暗算で37+48をすぐに答えるのが苦手な場合があります。これは数学能力が低いのではなく、単純計算を自動的に処理する経験や記憶の仕組みが異なるためです。
足し算引き算が速い人は何をしているのか
暗算が得意な人は、毎回頭の中で一から計算しているわけではありません。多くの場合、計算結果を記憶していたり、数をまとまりとして処理したりしています。
例えば、8+6を考えるとき、暗算に慣れている人は「8に6を足す」と順番に処理するより、「8+5=13だから、さらに1足して14」というような計算パターンを瞬時に使っています。
また、1桁同士の足し算については、九九のように反射的に答えられる状態になっている人も多くいます。これは才能というより、繰り返し練習によって作られるものです。
繰り上がりや繰り下がりで止まる理由
足し算や引き算で特につまずきやすいのが、繰り上がりや繰り下がりがある計算です。
例えば、8+6を「6を2と4に分けて、8+2=10、10+4=14」と考える方法があります。しかし、この途中で「次に何をするか」を保持できないと、計算手順が途中で途切れてしまいます。
これは計算能力がないというより、頭の中で一時的に情報を保持する「ワーキングメモリ」の使い方が関係している場合があります。複数の情報を同時に扱う作業が苦手だと、途中の数字を忘れやすくなることがあります。
指を使う計算は悪いことではない
指を使って計算することは、必ずしも悪い方法ではありません。指は数字を視覚化するための補助的な道具であり、幼児だけが使うものではありません。
大切なのは、指を使うこと自体ではなく、計算方法が目的に合っているかどうかです。例えば、複雑な計算を確認するために途中で指を使うことは、数学が得意な人でも行うことがあります。
ただし、日常的な簡単な計算まで毎回指が必要で不便を感じている場合は、少しずつ暗算の練習をすることで改善できる可能性があります。
暗算力を高めるための効果的な練習方法
暗算を速くするためには、難しい問題を解くよりも、基本的な計算を何度も繰り返して自動化することが効果的です。
おすすめの練習方法には以下のようなものがあります。
- 1桁同士の足し算を反射的に答える練習
- 10を作る考え方を身につける練習
- 簡単な引き算を毎日短時間行う
- 暗算アプリや計算ドリルを利用する
例えば、8+6なら「8にあと2足せば10になる。残りの4を足して14」と毎回考える練習を続けることで、次第にこの流れが自動化されます。
最初から速く計算しようとする必要はありません。正確にできる状態を作り、その後で速度を上げることが大切です。
計算の苦手さだけで発達上の問題とは判断できない
単純計算が苦手だからといって、すぐに障害や能力の問題があると考える必要はありません。
人には得意不得意があり、数学的思考が得意でも計算処理速度が速いとは限りません。また、計算の経験量や幼少期からの学習方法によっても差が生まれます。
一方で、日常生活に大きな支障があるほど数字の処理が困難であったり、時間や金銭管理などにも強い困難を感じたりする場合は、専門家に相談することで原因を整理できることがあります。
数学が得意な人ほど計算の自動化を意識するとよい
理系分野では、複雑な考察をする場面が多いため、基本計算を無意識に処理できると大きなメリットがあります。
例えば、物理の問題では力の計算や数式変形に集中するために、簡単な四則計算はできるだけ負担を減らしたほうが効率的です。
そのため、数学が得意な人でも基礎計算を練習する価値はあります。これは能力を補うためではなく、考える力をより発揮するための準備になります。
まとめ:足し算引き算が苦手でも数学能力とは別の問題
高校生になっても足し算引き算に時間がかかることはありますが、それだけで数学が苦手であるとか、能力に問題があると判断することはできません。
暗算が速い人は、計算パターンを記憶し、自動的に処理できる状態になっているだけです。計算力は練習によって向上させることができます。
まずは1桁の足し算や繰り上がり計算を少しずつ練習し、計算手順を頭の中で自然に処理できる状態を目指すことが大切です。数学的な理解力と暗算力は別の能力なので、自分の得意な部分を大切にしながら改善していくことができます。


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