古文の係り結びは、係助詞と文末の活用形の関係を理解することが重要です。しかし、「ぞ」「なむ」「や」「か」「こそ」など複数の係助詞が近くにある文章では、どの助詞が文末の活用に影響しているのか迷うことがあります。
「何事ぞや。童べと腹立ち給へるか。」という文も、「る」が連体形になっている理由や、どの係助詞による係り結びなのかが分かりにくい文章です。この記事では、この文の構造を整理しながら、係り結びの考え方を解説します。
「何事ぞや。童べと腹立ち給へるか。」の文構造
まず文章を区切って考えることが大切です。
「何事ぞや。」と「童べと腹立ち給へるか。」は、それぞれ別の疑問文になっています。つまり、後半の「腹立ち給へるか」の「る」がどの係助詞に結び付いているかを考える必要があります。
後半の文を分解すると、「童べと」「腹立ち」「給へ」「る」「か」となります。「腹立ち給へる」は、「腹立つ」に尊敬の補助動詞「給ふ」が付き、さらに完了の助動詞「り」の連体形「る」が付いた形です。
「る」が連体形になる理由は係助詞「か」の影響
この文で「る」が連体形になっている理由は、係助詞「か」による係り結びです。
古文では、係助詞「ぞ・なむ・や・か」がある場合、文末の活用語は連体形になります。また、「こそ」がある場合は已然形になります。
| 係助詞 | 結びの形 |
|---|---|
| ぞ | 連体形 |
| なむ | 連体形 |
| や | 連体形 |
| か | 連体形 |
| こそ | 已然形 |
そのため、「腹立ち給へるか」では、文末の「か」が係助詞として働き、「る」を連体形にしています。
後ろにある「か」でも係り結びになるのか
「か」は「る」の後ろにあるので、影響しないのではないかと考えてしまいますが、古文の係り結びでは係助詞が文中のどこにあるかではなく、その文の中でどのような働きをしているかを見る必要があります。
現代語の感覚では「助詞は前の言葉にかかる」と考えがちですが、古文の係助詞は文全体に影響を与え、文末の活用形を変化させます。
例えば、「何をしているのか」という現代語の疑問文でも、「か」は文末にあります。しかし、古文でも同じように疑問を表す係助詞が文末に置かれ、その影響で文末の語が連体形になることがあります。
「ぞ」や「や」は前の文にかかっている
では、「何事ぞや」の「ぞ」「や」はどうなるのでしょうか。
「何事ぞや」は、「何事なのか」という意味の独立した疑問表現です。この部分で使われている「ぞ」や「や」は、後ろの「腹立ち給へるか」に影響しているわけではありません。
つまり、「何事ぞや」と「童べと腹立ち給へるか」は別々の係り結びとして考える必要があります。
係り結びを判断するときのポイント
古文の係り結びで迷った場合は、次の順番で確認すると分かりやすくなります。
- まず文を区切る
- 係助詞がどの文に属しているか確認する
- 係助詞に対応する結びの形を見る
- 文末の活用語を確認する
今回の場合、「か」がある文は「童べと腹立ち給へるか」であり、その「か」によって「る」が連体形になっています。
係助詞が複数出てきた場合でも、すべての係助詞が同じ文末に影響するわけではありません。どの文の係助詞なのかを見極めることが重要です。
まとめ|「腹立ち給へるか」の「る」は係助詞「か」による連体形
「何事ぞや。童べと腹立ち給へるか。」の「腹立ち給へる」の「る」が連体形になる理由は、文末にある係助詞「か」による係り結びです。
「ぞ」や「や」も係助詞ですが、「何事ぞや」の部分で完結しており、後半の「腹立ち給へるか」には影響しません。
古文の係り結びは、係助詞の位置だけを見るのではなく、どの文に属しているかを判断することが大切です。文章を区切って考えることで、複数の係助詞が登場する文でも正しく理解できるようになります。


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