人類が作った人工物の中で、最も遠くまで到達している探査機として知られるボイジャー1号ですが、「速度」だけを見ると、実はボイジャー1号より速く移動した人工物が存在します。
この記事では、ボイジャー1号の速度や、人類が作成した人工物の中で特に高速なもの、なぜそのような速度を出せるのかについて分かりやすく解説します。
ボイジャー1号はどれくらいの速度で移動しているのか
ボイジャー1号は1977年にNASAによって打ち上げられた無人宇宙探査機です。現在は太陽系の外側へ向かって飛行を続けており、人類が作った人工物として最も遠くに到達したものとして知られています。
ボイジャー1号の太陽に対する速度は、およそ秒速17キロメートル(時速約6万1000キロメートル)です。
これは地球上の乗り物と比べれば非常に高速ですが、光の速度と比較すると約0.006%程度であり、宇宙規模ではまだゆっくりした速度です。
ボイジャー1号より速い人工物は存在する
ボイジャー1号より高速で移動した人工物として代表的なのが、NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」です。
パーカー・ソーラー・プローブは太陽に極めて接近して観測するため、太陽の強大な重力を利用して加速します。その速度は秒速約190キロメートルを超え、人類が作った人工物の中で最速記録を更新しました。
つまり、遠くまで進んだ人工物はボイジャー1号ですが、瞬間的な移動速度ではパーカー・ソーラー・プローブの方がはるかに速いということになります。
最速の人工物パーカー・ソーラー・プローブとは
パーカー・ソーラー・プローブは2018年に打ち上げられた太陽探査機で、太陽の大気であるコロナを詳しく調査することを目的としています。
通常、宇宙船を高速にするには大量の燃料が必要になります。しかし、パーカー・ソーラー・プローブは太陽の重力を利用することで、燃料だけでは不可能なほどの速度を実現しています。
例えるなら、坂道を自転車で下るときに重力によって自然に速度が増すのと同じように、太陽へ近づくことで強い重力加速を受けています。
ほかにも高速だった人工物はあるのか
パーカー・ソーラー・プローブ以外にも、高速で移動した人工物はいくつかあります。
例えば、NASAのヘリオス探査機は太陽観測を目的として1970年代に打ち上げられ、秒速70キロメートル以上の速度を記録しました。
また、木星や土星など遠方の惑星へ向かった探査機では、惑星の重力を利用した「スイングバイ」という方法によって速度を高めることがあります。
なぜ宇宙船は簡単に光速まで速くできないのか
「人類最速の探査機でも光速には遠く及ばない」と聞くと、不思議に感じるかもしれません。
これは、物理学の基本法則である相対性理論によって、質量を持つ物体は光速に近づくほど加速に必要なエネルギーが急激に増えるためです。
例えば、現在のロケット技術で宇宙船を光速近くまで加速するには、現在の人類が利用できるエネルギー量をはるかに超える資源が必要になります。
ボイジャー1号が特別なのは速度だけではない
ボイジャー1号が注目される理由は、単純な速度ではなく、長期間にわたって宇宙を航行し、人類の活動範囲を大きく広げた点にあります。
ボイジャー1号は太陽系外へ到達し、地球から最も遠い場所で活動している人工物です。
一方で、パーカー・ソーラー・プローブは速度記録を持ち、ボイジャー1号は距離記録を持つというように、それぞれ異なる分野で人類の宇宙技術を象徴しています。
まとめ|ボイジャー1号より速い人工物は存在する
ボイジャー1号より速い人工物は存在し、現在の速度記録を持つのはNASAのパーカー・ソーラー・プローブです。
ただし、ボイジャー1号は速度ではなく、人類が作った物体として最も遠くまで到達したという大きな功績があります。
宇宙探査では「どれだけ速いか」と「どれだけ遠くへ行ったか」は別の指標であり、それぞれ異なる技術によって達成されています。


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