低圧幹線分岐の55%計算とは?許容電流と減少係数の関係をわかりやすく解説

工学

低圧幹線の分岐設計では、幹線保護や電線サイズの選定を行う際に「55%計算」という考え方が登場します。しかし、この計算で求められた許容電流が、すでに敷設条件による減少係数を考慮した値なのか、それとも別途補正が必要なのか迷うことがあります。

この記事では、低圧幹線分岐における55%計算の意味、許容電流と減少係数の関係、計算時に注意すべきポイントについて詳しく解説します。

低圧幹線分岐における55%計算とは

低圧幹線分岐の55%計算とは、幹線から分岐する電線の太さや保護装置の選定を行う際に用いられる計算方法の一つです。主に電気設備技術基準や内線規程に基づいた設計で利用されます。

一般的な考え方として、分岐回路の負荷電流が幹線の許容電流に対して一定割合以下である場合、分岐点から過電流保護器までの距離や条件によって、幹線保護の考え方を簡略化できる場合があります。

この55%という数値は、単純に電線の能力が55%になるという意味ではなく、幹線と分岐回路の保護協調を考慮した判定基準として使われます。

55%計算で求めた許容電流は減少係数を含んでいるのか

55%計算によって求められる電流値は、基本的には電線そのものの許容電流に対する割合で判断するものであり、敷設条件による減少係数を自動的に含んだ値ではありません。

つまり、電線の許容電流を求める段階で、周囲温度補正、電線管内の収容本数による補正、集合による低減などの減少係数を適用する必要があります。

例えば、カタログや規程表に記載されている許容電流が100Aの電線であっても、敷設条件によって0.8の減少係数が適用される場合、実際に使用できる許容電流は80Aになります。その後に55%計算による判定を行います。

許容電流を求める基本的な流れ

低圧幹線分岐の計算では、まず電線の基本許容電流を確認し、その後に必要な補正を行うという順序で考えると分かりやすくなります。

一般的な流れは以下のようになります。

  • 使用する電線の種類やサイズから基準許容電流を確認する
  • 周囲温度や敷設方法による減少係数を適用する
  • 補正後の許容電流を求める
  • 55%計算などの分岐条件に照らして判定する

この順序を間違えると、本来より大きな許容電流として計算してしまい、安全率を誤って評価する可能性があります。

減少係数を考慮する必要がある理由

電線の許容電流は、理想的な条件で使用した場合の値です。実際の設備では、電線が密集していたり、温度が高い場所に設置されたりするため、発熱を十分に逃がせない場合があります。

例えば、同じケーブルでも、空中に単独で敷設する場合と、多数のケーブルをラック内に並べて設置する場合では放熱条件が異なります。そのため、同じ電線サイズでも流せる電流は変化します。

減少係数は、このような実際の設置環境を考慮して安全に使用できる電流値へ補正するためのものです。

55%計算を行う際によくある注意点

55%計算で間違いやすいポイントは、「55%という数字を許容電流そのものに掛ければよい」と考えてしまうことです。

実際には、まず正しい条件で電線の許容電流を算出し、その値を基準として分岐条件を判断します。減少係数の適用前と適用後では結果が変わるため、どの段階の電流値を使用しているのか確認することが重要です。

また、電気設備の設計では内線規程や使用する電線メーカーの資料など、最新の基準を確認しながら計算することが大切です。

具体例で見る55%計算と補正の考え方

例えば、ある電線の基準許容電流が100Aだったとします。敷設条件による減少係数が0.8の場合、実際の許容電流は100A×0.8で80Aになります。

この80Aという値が、実際の設備条件を反映した許容電流です。その後、55%計算による分岐条件を確認する場合は、この補正後の値を基準に考えることになります。

つまり、55%計算と減少係数は別々の考え方であり、どちらか一方だけを適用すればよいものではありません。

まとめ:55%計算の電流値と減少係数は別に考える

低圧幹線分岐における55%計算で得られる判断値は、敷設条件による減少係数を自動的に含んだものではありません。

まず電線の基準許容電流に対して、周囲温度や敷設状況による減少係数を適用し、実際に使用できる許容電流を求めます。そのうえで55%計算による分岐条件を確認することが基本です。

電気設備の設計では、計算式だけでなく「どの段階の電流値を使っているのか」を意識することが重要です。許容電流、補正係数、分岐条件を分けて考えることで、より安全で正確な設計ができます。

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