犬の高ビリルビン血症は、溶血性・肝性・肝後性の3つに大別されますが、臨床現場では原因の切り分けをいかに効率よく行うかが重要になります。本記事では、一般的な診断アプローチに基づき、合理的な検査の組み立て方を整理します。
高ビリルビン血症の基本分類
高ビリルビン血症は「ビリルビンの産生・代謝・排泄」のどこに異常があるかで分類されます。
溶血性は赤血球破壊の亢進、肝性は肝細胞障害、肝後性は胆道閉塞などが原因です。
この3分類を意識することが診断の出発点になります。
最初に行うべき基本検査
まず実施すべきは血液検査と尿検査です。
特にCBC(血球計算)で貧血の有無と性状を確認し、溶血の可能性を評価します。
同時に血液塗抹検査で赤血球形態異常や凝集の有無も確認します。
溶血性の鑑別ポイント
溶血性が疑われる場合、急性貧血、網状赤血球増加、血漿の溶血所見が重要です。
免疫介在性溶血性貧血(IMHA)では自己凝集や球状赤血球が特徴となります。
この段階で溶血が否定できれば肝性・肝後性へ進みます。
肝性と肝後性の鑑別検査
肝性・肝後性の鑑別には血液生化学検査(ALT、ALP、GGTなど)が重要です。
さらに腹部超音波検査で肝実質や胆管拡張の有無を確認します。
胆管拡張があれば肝後性、肝実質異常であれば肝性を疑います。
効率的な検査順序のまとめ
①まずCBCと血液塗抹で溶血の有無を評価します。
②次に生化学検査で肝障害の有無を確認します。
③最後に画像検査で胆道閉塞など肝後性を除外します。
まとめ
犬の高ビリルビン血症は、溶血性→肝性→肝後性の順に除外していくのが効率的です。
初期検査で溶血を見逃さず、次に肝機能評価、最後に画像診断という流れが合理的です。
この順序を意識することで、診断の精度とスピードを両立できます。


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