CR移相発振回路は、RCネットワークによる位相シフトを利用して正弦波を生成する基本的な発振回路の一つです。ここにNMOSFETを増幅素子として組み合わせることで、シンプルかつ実用的な発振回路を構成できます。本記事では、NMOSFETを用いたCR移相発振回路の基本構成と、LTspiceでの再現方法について整理します。
CR移相発振回路の基本構造
CR移相発振回路は、3段のRCフィルタによって合計180度の位相遅れを作り、反転増幅器と組み合わせることで発振条件を満たします。
NMOSFETを用いる場合は、共通ソース増幅回路として動作させることで、さらに180度の位相反転を得る構成が一般的です。
NMOSFETを使った基本構成
基本構成は「NMOSFET増幅段 + 3段RCフィードバック回路」という形になります。
ゲートにRCネットワークを接続し、ドレインから出力を取り、ソースはGNDに接続するシンプルな共通ソース構成が基本です。
この構成により、RCによる180度とMOSFETによる180度で合計360度の位相条件を満たします。
LTspiceでの基本回路構成
LTspiceでは以下のような構成でシミュレーションが可能です。
・NMOSFET(例:2N7000や理想NMOSモデル)
・ドレイン抵抗 Rd
・ソース接地
・3段RC直列ネットワーク(出力→ゲートへ帰還)
発振開始のために初期条件(ノイズ源や初期電圧)を与えると安定して波形が観測できます。
回路の考え方と発振条件
発振条件はバークハウゼン条件(位相条件+利得条件)で決まります。
位相は合計360度、利得は1以上が必要となるため、抵抗値やMOSFETのバイアス設定が重要になります。
特にRCの時定数は発振周波数を決定する主要パラメータです。
設計時の注意点
NMOSFETを使う場合、動作点の安定化が重要で、バイアスがずれると発振が停止することがあります。
また、モデルによってはゲートしきい値や寄生容量の影響で波形が歪むため、実用設計では調整が必要です。
LTspiceでは理想モデルと実デバイスモデルの差にも注意が必要です。
まとめ
NMOSFETを用いたCR移相発振回路は、共通ソース増幅回路と3段RCフィードバックを組み合わせた基本構成で実現できます。
LTspiceではシンプルな構成でも発振動作を確認でき、設計理解にも非常に有効です。
発振条件とバイアス設計を正しく押さえることが安定動作の鍵となります。


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