力学の基本として学ぶ「作用反作用の法則」は、問題文では理解できても、実際に図に矢印を書く場面になると混乱しやすい単元です。特に「押し合い」で物体が動く問題では、どの力が誰に働いているのか分かりにくくなります。
この記事では、子どもと大人が押し合う典型的な問題を題材にしながら、作用反作用の正しい捉え方と力の矢印の書き方を整理します。
作用反作用は“必ず別々の物体に働く”
まず最も重要なポイントは、作用反作用の力は「同じ物体には絶対に作用しない」という点です。
子どもが大人を押す力と、大人が子どもを押し返す力は、必ず別々の物体に働いています。
このため、1つの物体の力図の中で2つを同時に相殺することはできません。
この問題で登場する力を整理する
今回の状況では、以下の力が存在します。
・子どもが大人を押す力(子→大)
・大人が子どもを押す力(大→子)
・床からの垂直抗力
・摩擦(なめらかな地面なので0)
それぞれ別の物体に作用するため、必ず分けて考える必要があります。
大人に働く力と加速度の関係
大人(80kg)に注目すると、横方向に働くのは「子どもから受ける押す力」だけです。
問題では大人の加速度が0.25 m/s²なので、運動方程式は F = ma より
F = 80 × 0.25 = 20 N
つまり、大人は子どもから20Nの力を受けていることになります。
子ども側の力の見方
子ども(40kg)には、大人から同じ大きさで逆向きの力が働きます。
これは作用反作用の関係なので、大きさは必ず同じ20Nです。
したがって子どもの加速度は a = 20 / 40 = 0.5 m/s² となります。
力の矢印を書くときの正しい手順
図を描くときは、まず「1つの物体だけ」に注目します。
その物体に“外から作用している力だけ”を矢印で描きます。
作用反作用の相手側の力は、別の物体の図に描くため混同しないことが重要です。
よくある誤解:力は打ち消し合うのか
作用反作用の力は大きさが等しいため「相殺される」と誤解されがちです。
しかしそれは“同じ物体に働いていない”ため、打ち消し合うことはありません。
この点を理解すると、力学の図の読み取りが一気に明確になります。
まとめ
作用反作用の法則は「2つの力が必ず別々の物体に働く」という点が本質です。
押し合いの問題では、まずそれぞれの物体を分けて考え、個別に力のつり合いと運動方程式を立てることが重要です。
図に矢印を書く際も、1物体1図の原則を守ることで混乱を防ぐことができます。

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