ボード線図でゲインが対数式として与えられるとき、「なぜ傾きが平行になるのか」という疑問は非常に多いポイントです。本記事では、G1(jω)=-20log10(ω/2)とG2(jω)=-20log10(ω/3)の関係を例に、傾きが一致する理由と片対数グラフの本質について整理して解説します。
① 与えられたゲイン式の構造を整理する
まずG1とG2の式を対数の性質で分解すると、本質が見えやすくなります。
G1(jω)=-20log10(ω/2)は、-20log10ω + 20log102と変形できます。
同様にG2(jω)=-20log10(ω/3)は、-20log10ω + 20log103となります。
② 傾き(スロープ)はどこで決まるのか
ボード線図の傾きは、ωに依存する項によって決まります。
ここでは両式とも共通して「-20log10ω」という項を持っています。
したがって、周波数ωに対する変化率(傾き)は完全に一致します。
③ 定数項は傾きに影響しない理由
20log102や20log103の部分は、周波数ωに依存しない定数です。
これはグラフ上では上下方向の平行移動を意味するだけで、傾きそのものは変えません。
そのため、G1とG2は形が同じで位置だけがずれた直線になります。
④ 片対数グラフだから平行になるのか
結論としては「片対数グラフだから」というより、「対数関数の構造が同じだから平行になる」が正確です。
片対数グラフでは横軸が対数スケールなので、logωの係数が傾きを決めます。
その係数が両者で同じである限り、グラフは必ず平行になります。
⑤ 直感的な理解(なぜずっと同じ傾きになるのか)
log10(ω/2)とlog10(ω/3)は、どちらも「ωの変化に対して同じ割合で変化する関数」です。
違いは「基準点(オフセット)」だけであり、増え方・減り方の速さは完全に一致しています。
そのためボード線図では、ただ上下にずれた平行線として描かれます。
⑥ まとめ
G1とG2の傾きが平行になる理由は、どちらも共通して-20log10ωという同じ周波数依存項を持つためです。
定数項はグラフを上下に移動させるだけで傾きには影響しません。
したがって片対数グラフであること以上に、「対数式の構造が同一であること」が本質的な理由となります。


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