ハーディー・ワインベルグの法則の問題では、表面上は「p²・2pq・q²を当てはめれば解ける」と思われがちですが、実際のデータから頻度を求める場合には注意すべき前提があります。本記事では、提示された集団データをもとに、どこに誤りが生じやすいのかを整理しながら、正しい考え方を解説します。
まず問題のデータを整理する
今回の集団は合計1000個体で、遺伝子型は以下の通りです。
RR:650個体、Rr:300個体、rr:50個体
このデータは「実際に観測された遺伝子型頻度」であり、ハーディー・ワインベルグ平衡が成立しているかを検証するための出発点になります。
p²・2pq・q²をそのまま当てはめる誤り
p²=659/1000、2pq=300/1000、q²=50/1000として扱う方法は、一見正しそうですが本質的に逆の操作になっています。
ハーディー・ワインベルグの法則は「対立遺伝子頻度p・qから遺伝子型頻度を予測する式」であり、逆に遺伝子型頻度からp・qを求める場合は直接代入できません。
つまり、この式は「結果から原因を逆算するツール」としてはそのまま使えないという点が誤解の原因です。
正しい求め方は対立遺伝子数から計算する
まずRの頻度pは、遺伝子の総数を基準に計算します。
RRは2つのR、Rrは1つのRとして数えます。
よってRの数は 2×650 + 300 = 1600、総アレル数は2000なので、p = 1600/2000 = 0.8となります。
qの求め方と整合性の確認
qは1−pで求めることができるため、q = 1 − 0.8 = 0.2となります。
この値を用いて理論値を確認すると、p²=0.64、2pq=0.32、q²=0.04となり、観測値(0.65、0.30、0.05)とほぼ一致します。
したがって、この集団はハーディー・ワインベルグ平衡に近い状態であると判断できます。
まとめ
今回の誤りの本質は「p²・2pq・q²を観測値に直接当てはめたこと」にあります。
ハーディー・ワインベルグの法則は順方向のモデルであり、逆算にはアレル数の計算が必要です。
遺伝子型から頻度を求める際は、必ずR・rの総数を数える方法を用いることが正確な解法になります。


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