数学的帰納法は、自然数全体について命題が成り立つことを示す代表的な証明方法です。この記事では、「nが自然数のとき、3^(2n)-1は8の倍数であることを数学的帰納法で証明せよ」という問題を例に、帰納法の基本的な流れと考え方を解説します。
問題の確認
証明したい命題をP(n)とおきます。
P(n):3^(2n)-1は8の倍数である。
数学的帰納法では、まずn=1で成り立つことを確認し、その後n=kで成り立つと仮定してn=k+1でも成り立つことを示します。
ステップ1:n=1で成り立つことを確認する
n=1のとき、
3^(2×1)-1=3^2-1=9-1=8
となり、8は8の倍数です。
したがってP(1)は成り立ちます。
ステップ2:n=kで成り立つと仮定する
n=kのとき命題が成り立つと仮定します。
つまり、ある整数mを用いて
3^(2k)-1=8m
と表せるとします。
この仮定を利用してP(k+1)を証明します。
ステップ3:n=k+1の場合を考える
3^(2(k+1))-1を変形します。
3^(2(k+1))-1=9・3^(2k)-1
=9(3^(2k)-1)+8
ここで帰納法の仮定3^(2k)-1=8mを代入すると、
=9・8m+8
=8(9m+1)
となります。
9m+1は整数なので、3^(2(k+1))-1は8の倍数です。
数学的帰納法による証明の完成
n=1のとき命題は成り立ちました。
また、n=kで成り立つと仮定すると、n=k+1でも成り立つことが示されました。
よって数学的帰納法により、すべての自然数nについて3^(2n)-1は8の倍数であることが証明されました。
答案としてまとめると
【証明】
P(n):3^(2n)-1は8の倍数である、とする。
n=1のとき、3^2-1=8であり、8の倍数である。
次に、n=kのときP(k)が成り立つと仮定する。すなわち、ある整数mを用いて
3^(2k)-1=8m
と表せるとする。
このとき、
3^(2(k+1))-1=9・3^(2k)-1
=9(3^(2k)-1)+8
=9・8m+8
=8(9m+1)
となる。
9m+1は整数であるから、3^(2(k+1))-1は8の倍数である。
したがってP(k+1)も成り立つ。
以上より、数学的帰納法によりすべての自然数nについて3^(2n)-1は8の倍数である。
まとめ
この問題のポイントは、3^(2(k+1))を9・3^(2k)と変形し、帰納法の仮定である「3^(2k)-1が8の倍数」を利用できる形にすることです。
数学的帰納法では、仮定した式をどのように現れるよう変形するかが重要になります。
同様の指数関数の倍数証明でも、この考え方は頻繁に使われるため、ぜひ身につけておきましょう。


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