定積分の問題としてよく扱われる「√sinx と 1/√sinx の積の積分」は、一見すると難しそうに見えますが、実はガンマ関数やベータ関数の性質を使うことで美しく計算できます。本記事では、その構造と計算の考え方を整理します。
問題の構造を整理する
与えられている式は次の形です。
I=(∫[0,π/2]√sinx dx)(∫[0,π/2] dx/√sinx)
これは2つの定積分の積で構成されています。
それぞれの積分は sinx の冪乗積分として扱うことができます。
基本公式:sinxの冪乗積分
一般に次の公式が成り立ちます。
∫[0,π/2] sin^p x dx = (1/2)B((p+1)/2, 1/2)
ここで B はベータ関数であり、ガンマ関数と次の関係があります。
B(a,b)=Γ(a)Γ(b)/Γ(a+b)
それぞれの積分を計算する
まずそれぞれの指数を整理します。
① √sinx = sin^(1/2)x
② 1/√sinx = sin^(-1/2)x
よってそれぞれ
A = ∫[0,π/2] sin^(1/2)x dx
B = ∫[0,π/2] sin^(-1/2)x dx
ガンマ関数を用いた評価
公式より
A = (1/2)B(3/4, 1/2)
B = (1/2)B(1/4, 1/2)
ベータ関数をガンマ関数に直すと
A = (1/2) Γ(3/4)Γ(1/2)/Γ(5/4)
B = (1/2) Γ(1/4)Γ(1/2)/Γ(3/4)
積の形を整理して簡単化する
I = A×B を計算すると、ガンマ関数の相殺が起こります。
I = (1/4) × Γ(1/2)^2 × Γ(1/4)Γ(3/4) / (Γ(5/4)Γ(3/4))
整理すると有名な公式 Γ(1/4)Γ(3/4)=π√2 を用いて大幅に簡約できます。
最終的に
I = π
まとめ
この積分は一見複雑に見えますが、ベータ関数とガンマ関数の対称性を使うことで美しく解けます。
特に √sinx と 1/√sinx の組み合わせは、互いに打ち消し合う構造を持っており、結果はシンプルな定数になります。
結論として、この積分の値は π となります。


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