KiCadでエフェクターなどの回路設計を行っている際、「-VDCとGNDが同じ配線に接続されています」という警告が表示されることがあります。一見するとベタグランドでGNDと電源の基準点を共有しているだけのように思えますが、実はこの警告には回路設計上の重要な意味があります。本記事では、この警告が出る理由と、正しい電源・GND設計の考え方について整理します。
-VDCとGNDは同じではないという基本原則
電子回路設計において、GND(グランド)は基準電位であり、-VDCは電源の一部です。通常は回路内で異なるネットとして扱われます。
たとえ最終的に回路上で接続される設計であっても、KiCad上では「異なるネット」として定義されるのが基本です。
そのため、設計ルール上で異なるネット同士が直接つながると警告が発生します。
KiCadが警告を出す理由
KiCadのERC(Electrical Rules Check)は、意図しないショートや設計ミスを検出するための仕組みです。
-VDCとGNDが同一ネットとして接続されている場合、シミュレーション上「電源短絡」と解釈される可能性があります。
特にエフェクター回路では、±電源構成や仮想GNDを使うケースがあるため、誤接続を防ぐ目的で警告が出ます。
ベタグランド設計で誤解が起きやすいポイント
ベタグランド(GNDプレーン)を使用する場合、すべてのGNDが広い面で接続されるため、直感的に「電源も同じにしてよい」と誤解されがちです。
しかし実際には、GNDプレーンはあくまで「共通基準」であり、-VDCとは別ネットとして扱う必要があります。
もし意図的に接続する場合でも、回路図上で明示的に一点接続(スター接続など)を行う設計が望まれます。
エフェクター回路での正しい電源設計
エフェクターでは、9V単電源から仮想GNDを作るケースが一般的です。この場合、GNDと中点電圧は異なる役割を持ちます。
そのため、-VDCとGNDを直接同一ネットとして扱うのではなく、仮想グランド回路を介して基準電位を作る設計が必要です。
また、KiCad上でもネットラベルを分けることで、設計意図を明確にできます。
警告を正しく解釈するためのチェックポイント
この警告が出た場合は、単なるエラーではなく設計意図の確認が必要です。
- 本当に-VDCとGNDを短絡させる設計なのか
- 仮想GNDや分圧回路を使っているか
- ネットラベルが誤って共通化されていないか
これらを確認することで、意図しない短絡や設計ミスを防ぐことができます。
まとめ
KiCadでの「-VDCとGNDが同じ配線に接続されている」という警告は、単なる表示ではなく設計上の重要な注意喚起です。
GNDと電源は原則として別ネットであり、ベタグランドであっても自動的に同一扱いにしてはいけません。
エフェクター回路では特に仮想GNDや単電源設計が絡むため、ネットの役割を明確に分離し、意図した接続のみを行うことが重要です。


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