力学的エネルギー保存則は、高校物理の力学分野で頻出の考え方です。特に鉛直投げ上げの問題では、運動エネルギーと位置エネルギーの変化を利用することで、時間を求めずに速さを計算できます。この記事では、地面から投げ上げられた小球が特定の高さを通過するときの速さを求める方法を、具体例を用いてわかりやすく解説します。
力学的エネルギー保存則とは
空気抵抗を無視できる場合、物体の運動エネルギーと位置エネルギーの和は常に一定です。これを力学的エネルギー保存則といいます。
運動エネルギーは「物体の速さ」によって決まり、位置エネルギーは「物体の高さ」によって決まります。
運動エネルギー+位置エネルギー=一定という関係を利用して問題を解きます。
今回の問題を整理する
問題の条件は次の通りです。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 初速度 | 14m/s |
| 高さ | 7.5m |
| 重力加速度 | 9.8m/s² |
地面を位置エネルギーの基準(高さ0m)とすると、投げた瞬間の位置エネルギーは0です。
エネルギー保存則の式を立てる
投げた瞬間の力学的エネルギーは次のようになります。
運動エネルギー=(1/2)mv²
したがって、初めのエネルギーは
(1/2)m×14²=98m
高さ7.5mの地点では、運動エネルギーと位置エネルギーの和が98mになります。
よって
(1/2)mv²+mg×7.5=98m
ここでg=9.8を代入すると
(1/2)mv²+73.5m=98m
両辺をmで割ると
(1/2)v²+73.5=98
(1/2)v²=24.5
v²=49
v=7
なぜ上昇中でも下降中でも同じ速さなのか
高さ7.5mを通過するとき、小球は上昇中と下降中の2回その高さを通ります。
しかし力学的エネルギー保存則によれば、同じ高さでは位置エネルギーが同じになるため、運動エネルギーも同じになります。
そのため、上昇中でも下降中でも速さの大きさは7m/sです。ただし速度の向きは、上昇中は上向き、下降中は下向きになります。
このタイプの問題を解くコツ
鉛直投げ上げ問題では、まずどの地点を位置エネルギーの基準にするか決めます。
次に、初めの力学的エネルギーと求めたい地点の力学的エネルギーを等しいとして式を立てます。
時間や到達時刻を考える必要がないため、エネルギー保存則を使う方が運動方程式より簡単に解ける場合が多くあります。
まとめ
鉛直上向きに14m/sで投げ上げられた小球が高さ7.5mを通過するときの速さは、力学的エネルギー保存則を用いることで求められます。初めの運動エネルギーと高さ7.5mでの位置エネルギー・運動エネルギーを等しいとおくと、速さは7m/sとなります。この問題は力学的エネルギー保存則の基本例として非常に重要なので、式の立て方をしっかり理解しておくことが大切です。


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