電子機器の内部を開けると、多くの場合は緑色の電子基板が使われています。しかし、古いオーディオ機器や家電、産業機器などでは、白色や薄いベージュ色の基板を見かけることがあります。これらは単なる色違いではなく、基板の材料や製造方法、時代背景が関係しています。この記事では、電子基板の色の違いとその理由について詳しく解説します。
電子基板の緑色は何の色なのか
実は、一般的な電子基板の緑色は基板そのものの色ではありません。
緑色に見えている部分の多くは「ソルダーレジスト」と呼ばれる保護膜です。これは銅配線の酸化防止や、はんだ付け時の不要な短絡を防ぐために塗布されています。
ソルダーレジストは緑以外にも赤、青、黒、白、黄色などがありますが、製造コストや検査のしやすさから緑色が標準となりました。
つまり緑色は電子回路の色ではなく、保護コーティングの色なのです。
古い機器の白色やベージュ色の基板とは
古い電子機器で見られる白色や薄いベージュ色の基板は、多くの場合ソルダーレジストが塗られていないか、あるいは基板材料そのものの色が見えている状態です。
特に1970年代から1980年代頃の家電製品では、紙フェノール基板が広く使われていました。
紙フェノール基板は紙を樹脂で固めた材料で作られており、もともと黄土色やベージュ色をしています。
現在でも安価な電子機器には使用されていますが、高性能機器ではあまり見かけなくなりました。
基板材料による違い
電子基板にはさまざまな材料があります。
| 基板の種類 | 主な色 | 特徴 |
|---|---|---|
| 紙フェノール基板 | ベージュ・黄土色 | 安価だが耐熱性は低め |
| ガラスエポキシ基板(FR-4) | 黄緑色・淡黄色 | 現在の主流で高性能 |
| セラミック基板 | 白色 | 放熱性や耐熱性が高い |
| アルミ基板 | 白色系 | LED照明などに使用 |
基板の色だけで性能は判断できませんが、材料の違いを知ることで機器の特徴を推測できます。
なぜ現在は緑色の基板が主流なのか
電子機器メーカーが緑色を採用する理由は複数あります。
まず、人間の目は緑色の上で銅配線や部品を識別しやすいため、製造時や検査時の作業効率が良くなります。
また、過去の製造設備や検査装置も緑色基板を前提に最適化されていたため、業界標準として定着しました。
現在では見た目を重視して黒色や白色の基板も増えていますが、コスト面では緑色が有利な場合が多いです。
白色基板は高性能なのか
白色基板を見ると特別な高性能品のように感じるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
白色は単にソルダーレジストの色である場合もありますし、セラミック基板やアルミ基板など特殊用途の材料である場合もあります。
例えばLED照明では光の反射効率を高めるため、白色基板がよく使用されます。
そのため、白色だから高性能というよりも、用途に応じて選ばれていると考えるのが正確です。
古い電子機器でベージュ色が多い理由
古い家電製品やオーディオ機器にベージュ色の基板が多いのは、当時のコスト事情と技術水準が関係しています。
紙フェノール基板は安価で加工しやすく、大量生産に適していました。
一方で現在主流のガラスエポキシ基板は耐熱性や信頼性に優れていますが、当時は比較的高価な材料でした。
そのため、時代が古い機器ほどベージュ色の基板に出会う機会が多くなります。
まとめ
電子基板が緑色なのは、主にソルダーレジストという保護膜の色によるものです。一方、古い電子機器で見られる白色やベージュ色の基板は、紙フェノール基板など基板材料そのものの色が見えている場合や、異なる材料が使われている場合があります。
基板の色は性能そのものを示すわけではありませんが、その時代の技術や用途、製造コストを知る手がかりになります。古い電子機器を分解した際には、基板の色からその機器の歴史を想像してみるのも面白いでしょう。


コメント