『紫式部日記』に見える「さるさまのこと知ろしめさまほしげにおぼいたりしかば」の一節にある「まほしげに」について、文法的に解説します。古典日本語の表現は現代語と異なり、助動詞や形容詞の連用形の扱いが重要です。
「まほしげに」の構造
この語は「まほしげに」と続く形で、形容詞的用法の副詞的表現です。基本形は「まほし」で、これは希望や願望を表す助動詞「まほし」の連用形に由来します。
接尾辞「げ」は形容詞や動詞に付いて、その様子や傾向を表す形容詞化の接尾辞です。したがって「まほしげに」は「まほし(希望する)」の様子や傾向を表す副詞的表現として機能しています。
文中での意味
ここでは中宮定子に漢籍を教えたがっている、知識を示したがっている様子を表しています。「〜げに」は現代語で言えば「〜そうに」「〜ように」に近く、外から見た傾向や様子を描写する表現です。
文法的分類
- 語幹:「まほし」——助動詞「まほし」の連用形
- 接尾辞:「げ」——形容詞化接尾辞(〜そうに、〜らしさ)
- 副詞化:「に」——副詞的に用いて動詞「おぼいたり」にかかる
まとめ
したがって「まほしげに」は、願望や希望を持っている様子を外から見た形で表す副詞的表現です。古典文法では、助動詞「まほし」と接尾辞「げ」の組み合わせで、人物の心理的傾向や行動の意向を描写する際によく用いられます。


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