中学や高校の化学では、反応物から生成物を予測して化学反応式を書く問題がよく出題されます。例えば「炭酸カルシウムを主成分とする石灰石に塩酸を加えると二酸化炭素が発生した」という問題では、なぜ二酸化炭素以外に水や塩化カルシウムができると分かるのでしょうか。この記事では、その考え方を順を追って解説します。
まずは反応する物質を確認する
石灰石の主成分である炭酸カルシウムの化学式はCaCO3です。一方、塩酸の化学式はHClです。
したがって、反応前の物質はCaCO3とHClであることが分かります。
| 物質名 | 化学式 |
|---|---|
| 炭酸カルシウム | CaCO3 |
| 塩酸 | HCl |
炭酸塩と酸の反応パターンを知る
化学にはよく出る反応パターンがあります。
炭酸塩+酸 → 二酸化炭素+水+塩
炭酸カルシウムは炭酸塩の一種なので、この反応パターンに当てはまります。
そのため、問題文に二酸化炭素が発生したと書かれている時点で、水も生成される可能性が高いと予測できます。
塩化カルシウムができる理由
反応前に存在する元素はカルシウム(Ca)、炭素(C)、酸素(O)、水素(H)、塩素(Cl)です。
二酸化炭素(CO2)と水(H2O)を作ったあとも、カルシウムと塩素が残ります。
化学反応では原子は消えないため、残ったCaとClは結びついて塩化カルシウム(CaCl2)になります。
つまり、塩化カルシウムは「余った原子を整理すると自然にできる物質」なのです。
実際の化学反応式
生成物を予測すると次のようになります。
CaCO3+HCl → CaCl2+CO2+H2O
しかし、このままでは原子の数が合いません。
塩素原子が2個必要なので、塩酸の前に2を付けます。
最終的な化学反応式は次のようになります。
CaCO3+2HCl → CaCl2+CO2+H2O
なぜ生成物を暗記するだけではいけないのか
化学反応式は暗記だけでも解けることがありますが、本質的には原子の組み替えです。
反応前に存在した元素がどこへ移動するのかを考える習慣をつけると、初めて見る反応式でも推測しやすくなります。
例えば今回なら、炭酸イオン(CO3)が二酸化炭素と水に変化し、カルシウムイオンが塩素イオンと結びつくと考えることができます。
まとめ
炭酸カルシウムと塩酸の反応で水と塩化カルシウムが生成されるのは、「炭酸塩+酸」の代表的な反応パターンに従っているためです。
また、化学反応では原子の数が保存されるため、二酸化炭素と水を作ったあとに残るカルシウムと塩素が塩化カルシウムになります。
反応式を覚えるだけでなく、どの原子がどこへ移動するのかを考えることで、化学反応式の問題が格段に解きやすくなるでしょう。


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