多項式の問題や微分法の学習において、「f(x)=0とf'(x)=0が共通の解を持つなら、f(x)は重解を持つのか」という疑問はよく登場します。この性質は重解の判定法として非常に重要であり、大学入試や数学検定などでも頻出です。この記事では、なぜ共通解が存在すると重解になるのか、その理由や具体例、注意点まで詳しく解説します。
重解とは何か
方程式f(x)=0の解aについて、f(x)が(x-a)を2回以上因数として持つとき、aを重解といいます。
例えば、f(x)=(x-2)2(x+1)の場合、x=2は2重解、x=-1は単純な解です。
一般に、(x-a)n(n≧2)を因数に持つとき、aは重解と呼ばれます。
なぜf(x)=0とf'(x)=0の共通解が重解になるのか
f(x)=0とf'(x)=0が共通解aを持つとします。
このときf(a)=0なので、f(x)は(x-a)を因数に持ちます。したがって、ある多項式g(x)を用いて、f(x)=(x-a)g(x)と表せます。
両辺を微分すると、積の微分法より、f'(x)=g(x)+(x-a)g'(x)となります。
x=aを代入すると、f'(a)=g(a)となります。
ところが仮定よりf'(a)=0なので、g(a)=0です。つまりg(x)も(x-a)を因数に持つことになります。
したがって、f(x)=(x-a)2h(x)と書けるため、aは重解です。
具体例で確認してみよう
例えば、f(x)=x2-4x+4=(x-2)2を考えます。
このとき、f(x)=0の解はx=2です。
導関数はf'(x)=2x-4なので、f'(2)=0となります。
つまりx=2はf(x)=0とf'(x)=0の共通解であり、実際に2重解となっています。
| 関数 | 解 | 導関数の値 |
|---|---|---|
| x²-4x+4 | x=2 | f'(2)=0 |
| (x-3)³ | x=3 | f'(3)=0 |
逆も成り立つのか
実は逆も成り立ちます。
もしaが重解なら、f(x)=(x-a)2h(x)と表せます。
これを微分すると、f'(x)=2(x-a)h(x)+(x-a)2h'(x)となります。
右辺には(x-a)が共通因数として含まれるため、f'(a)=0となります。
したがって、多項式の場合には「aが重解であること」と「f(a)=0かつf'(a)=0であること」は同値になります。
この性質が使われる場面
大学入試では「重解を持つ条件を求めよ」という問題が頻繁に出題されます。
その場合、まずf(x)=0とf'(x)=0を連立し、共通解が存在する条件を調べる方法が定番です。
また、判別式を利用する方法よりも計算が簡潔になる場合が多く、高次方程式の問題でも活用されます。
注意点:多項式であることが重要
この議論は主に多項式を対象としています。
一般の関数ではf(a)=0かつf'(a)=0であっても、必ずしも多項式の意味での重解という表現を用いない場合があります。
高校数学や大学初年級の代数学では、多項式の範囲で理解しておけば十分です。
まとめ
多項式f(x)について、f(x)=0とf'(x)=0が共通解aを持つなら、aは必ず重解です。
これはf(x)が(x-a)を2回以上因数として持つことを意味します。
さらに逆も成り立つため、「aが重解であること」と「f(a)=0かつf'(a)=0であること」は同値です。
重解の判定や入試問題の解法として非常に重要な性質なので、因数分解と微分を使った証明まで理解しておくと応用力が大きく向上します。


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