ニュースや国会答弁などで使われる「俯瞰的・総合的」という表現は、意味が曖昧で分かりにくいと感じる人も少なくありません。特に人事や組織運営に関する説明で使われると、「結局何を言いたいのか分からない」と受け取られることがあります。この記事では、「俯瞰的」「総合的」の本来の意味と、行政や政治の場面でどのように使われるのかを国語的な観点から解説します。
「俯瞰的」の意味とは
「俯瞰(ふかん)」とは、高い場所から全体を見渡すことを意味します。
そこから転じて、「俯瞰的に見る」とは、個別の事象だけでなく全体像や関係性を広い視野で捉えることを指します。
例えば企業経営では、一部署の利益だけでなく会社全体への影響を考えることを「俯瞰的な判断」と表現します。
「総合的」の意味とは
「総合的」とは、複数の要素や情報をまとめて判断することを意味します。
一つの基準だけで結論を出すのではなく、さまざまな観点を考慮したうえで評価する場合に使われます。
例えば採用試験で学力だけでなく面接や適性も含めて判断する場合、「総合的に評価した」と表現されます。
「俯瞰的・総合的」は日本語として正しいのか
結論から言えば、「俯瞰的」「総合的」という言葉自体は日本語として正しく使われています。
また、「俯瞰的かつ総合的に判断する」という表現も文法的な誤りはありません。
意味としては、「全体を見渡しながら、さまざまな要素を総合して判断する」という内容になります。
なぜ分かりにくいと感じるのか
問題になるのは言葉そのものではなく、具体的な判断基準が示されないまま使われるケースです。
例えば「俯瞰的・総合的に判断した」と説明されても、どの要素を重視したのかが明らかでなければ、聞き手は納得しにくくなります。
そのため、この表現は時に「説明を避けるための便利な言葉」と受け取られることもあります。
行政や政治でよく使われる理由
行政機関や企業の経営判断では、複数の要素を考慮する必要があります。そのため、一つの理由だけでは説明できない場面が少なくありません。
そのような場合に「俯瞰的・総合的」という表現が使われます。
ただし、説明責任が求められる場面では、その後に具体的な判断材料や基準を示すことが望ましいとされています。
まとめ
「俯瞰的」は全体を見渡すこと、「総合的」は複数の要素を考慮することを意味し、日本語としては正しい用法です。
一方で、具体的な理由や基準を示さずに使われると意味が曖昧になり、聞き手にとって分かりにくい説明になることがあります。そのため、言葉自体の正誤と説明の分かりやすさは分けて考える必要があるでしょう。

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