高圧受電設備で使用されるUGS(地中線用ガス開閉器)は、地絡事故発生時の保護協調において重要な役割を担います。現場では「三英社と戸上ではUGSの立ち上げ時間が異なる」「戸上製は1.6秒と聞いたが変電所リレーとの協調は問題ないのか」といった疑問を持つ技術者も少なくありません。本記事ではUGSの立ち上げ時間の考え方やメーカーごとの違い、変電所保護リレーとの関係について解説します。
UGSの立ち上げ時間とは何か
UGSの立ち上げ時間とは、一般的に地絡方向継電器や制御回路が動作可能な状態になるまでの時間や、投入後に保護機能が有効になるまでの時間を指して使われることがあります。
ただしメーカーや現場によって表現が異なり、実際には「制御電源確立時間」「継電器動作準備時間」「再閉路関連時間」などを含めて話されるケースもあります。
そのため数値だけを比較するのではなく、どの機能に対する時間なのかを確認することが重要です。
三英社と戸上で仕様は異なるのか
UGSはメーカーごとに内部制御方式や保護継電器の構成が異なるため、一部の動作時間や設定条件に差が生じることがあります。
現場では戸上製UGSについて「1.6秒」という数値が話題になることがありますが、これは機種や保護協調条件によって意味合いが異なる場合があります。
一方で三英社製についても採用される継電器や制御ユニットによって仕様が異なるため、単純にメーカー名だけで一律比較することはできません。
変電所リレーとの協調はなぜ重要なのか
UGSの保護機能は電力会社側の変電所保護リレーと協調して動作する必要があります。
協調が取れていない場合、本来需要家側で切り離すべき事故に対して変電所側が先に動作し、広範囲の停電につながる可能性があります。
逆にUGS側の動作が過度に遅い場合には、事故継続時間が長くなり設備へのダメージが大きくなることも考えられます。
実際の協調設計では何を確認するのか
実務ではUGS単体の時間だけではなく、地絡継電器(DGR)や過電流継電器(OCR)の整定値、電力会社が指定する保護協調基準を総合的に確認します。
例えば同じ1.6秒という数値であっても、変電所側の保護装置がそれ以上の余裕時間を持っている場合には協調上問題ないケースがあります。
そのため設計段階では電力会社との協議資料やメーカー技術資料を用いて確認することが一般的です。
メーカー資料の確認が必要な理由
UGSは機種更新や保護装置の電子化により仕様が変わることがあります。
過去に使用していた機種の情報が現在の製品にもそのまま当てはまるとは限りません。
特定の立ち上げ時間や動作時間について判断する際は、対象機種の最新仕様書やメーカー技術資料を確認することが重要です。
また電力会社によっても保護協調条件が異なるため、地域ごとの技術要件も合わせて確認する必要があります。
まとめ
UGSの立ち上げ時間はメーカーや機種によって差が生じる場合がありますが、重要なのは単純な数値比較ではなく保護協調全体で評価することです。
戸上製や三英社製の違いについても、対象機種の仕様と変電所リレーの整定条件を確認しなければ正確な判断はできません。
高圧受電設備の保護協調では、メーカー資料・電力会社基準・継電器整定値を総合的に確認することが安全で確実な設備運用につながります。


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