ヘヴィサイドの演算子法による微分方程式の解法|x⁽⁵⁾−x’=0の初期値問題を詳しく解説

大学数学

高階線形微分方程式は、特性方程式による解法だけでなく、ヘヴィサイドの演算子法によっても解くことができます。演算子法では微分演算子を代数的な記号として扱うため、微分方程式を代数方程式のように処理できるのが特徴です。ここでは、5階微分方程式 x⁽⁵⁾−x’=0 に対して、与えられた初期条件を用いてヘヴィサイドの演算子法で解を求める流れを解説します。

問題の確認

与えられた微分方程式は次の通りです。

x⁽⁵⁾(t)-x'(t)=0

初期条件は

x(0)=0, x'(0)=1, x”(0)=0, x”'(0)=-1, x⁽⁴⁾(0)=0

です。

ヘヴィサイド演算子を導入する

微分演算子を D=d/dt とおきます。

すると微分方程式は

(D⁵-D)x=0

と書けます。

さらに因数分解すると

D(D⁴-1)x=0

=D(D²-1)(D²+1)x=0

=D(D-1)(D+1)(D-i)(D+i)x=0

となります。

対応する一般解を求める

演算子の各因子に対応する解を並べると、一般解は

x(t)=C₁+C₂eᵗ+C₃e⁻ᵗ+C₄cos t+C₅sin t

となります。

これは演算子 D, D-1, D+1, D²+1 に対応する基本解から構成されています。

初期条件を代入する

まず解とその導関数を求めます。

x(t)=C₁+C₂eᵗ+C₃e⁻ᵗ+C₄cos t+C₅sin t

x'(t)=C₂eᵗ-C₃e⁻ᵗ-C₄sin t+C₅cos t

x”(t)=C₂eᵗ+C₃e⁻ᵗ-C₄cos t-C₅sin t

x”'(t)=C₂eᵗ-C₃e⁻ᵗ+C₄sin t-C₅cos t

x⁽⁴⁾(t)=C₂eᵗ+C₃e⁻ᵗ+C₄cos t+C₅sin t

t=0 を代入すると次の連立方程式が得られます。

条件
x(0)=0 C₁+C₂+C₃+C₄=0
x'(0)=1 C₂-C₃+C₅=1
x”(0)=0 C₂+C₃-C₄=0
x”'(0)=-1 C₂-C₃-C₅=-1
x⁽⁴⁾(0)=0 C₂+C₃+C₄=0

定数を決定する

第3式と第5式を比較すると

2C₄=0

より C₄=0 です。

すると C₂+C₃=0 となります。

また第2式と第4式を加えると

2(C₂-C₃)=0

より C₂=C₃ です。

C₂+C₃=0 と合わせると C₂=C₃=0 となります。

さらに第2式から C₅=1、第1式から C₁=0 が得られます。

最終解

以上より定数は

C₁=0, C₂=0, C₃=0, C₄=0, C₅=1

です。

したがって解は

x(t)=sin t

となります。

まとめ

微分方程式 x⁽⁵⁾−x’=0 をヘヴィサイドの演算子法で処理すると、演算子方程式 D(D-1)(D+1)(D²+1)x=0 が得られます。これに対応する一般解に初期条件を適用すると、最終的に x(t)=sin t が導かれます。ヘヴィサイドの演算子法は高階線形微分方程式を代数的に扱えるため、特性方程式と並んで重要な解法の一つです。

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