因数分解はどこまでやれば正解?『100x²-36』を例に数学で求められる因数分解の意味を解説

数学

数学を学んでいると、『なぜこの形まで分解しなければならないのか』という疑問を持つことがあります。例えば100x²-36を因数分解すると、学校では4(5x+3)(5x-3)と答えるのが一般的です。しかし、積の形になっていれば他の表現も因数分解と呼べるのではないかと考える人も少なくありません。この記事では、因数分解の本来の意味と、学校数学で求められる答え方の理由を解説します。

因数分解とは何か

因数分解とは、多項式をいくつかの因数の積の形に表すことです。

この定義だけを見ると、確かに積の形になっていれば因数分解と呼べそうに見えます。

例えば100x²-36は、4(25x²-9)とも書けますし、4(5x+3)(5x-3)とも書けます。どちらも元の式と等しいため、広い意味では因数の積による表現です。

『(10x+6)(10x-3)』は本当に同じ式か

まず確認したいのは、(10x+6)(10x-3)が本当に100x²-36と等しいかどうかです。

展開すると、100x²-30x+60x-18となり、整理すると100x²+30x-18になります。

これは100x²-36とは異なる式です。

したがって、この例に関しては『因数分解の仕方の違い』ではなく、単純に別の式になってしまっています。

学校数学で求められる『因数分解された形』とは

学校数学では、一般に『これ以上整数係数の範囲で分解できない形』まで分解したものを因数分解の完成形とみなします。

100x²-36の場合は、まず4をくくり出して4(25x²-9)とし、さらに平方差の公式を使って4(5x+3)(5x-3)とします。

このとき、25x²-9はまだ分解可能なので、4(25x²-9)の段階では因数分解が途中で止まっていると考えられます。

これは単なる『風習』なのか

ある意味では数学上の約束事や慣習といえますが、単なる気分ではありません。

例えば分数を約分するときも、6/8を3/4まで簡単にするのが一般的です。6/8のままでも値は同じですが、最簡形のほうが扱いやすく比較もしやすくなります。

因数分解も同様で、誰が見ても同じ形になるよう『既約な因数まで分解する』というルールが採用されています。

数学では一意性が重要になる

もし途中までの分解もすべて正解とすると、同じ式に対して無数の答え方が存在してしまいます。

例えば100x²-36は2(50x²-18)、4(25x²-9)、20(5x²-1.8)などさまざまな形で書けます。

そこで数学では、できるだけ答えを統一するために『既約因子まで分解する』という考え方を採用しています。

表現 評価
4(25x²-9) 因数分解の途中段階
4(5x+3)(5x-3) 完成した因数分解
(10x+6)(10x-3) 元の式と等しくない

大学数学でも考え方は同じ

大学数学では『既約多項式』という概念が登場します。

これは、それ以上分解できない多項式を意味します。

高校数学で完成形の因数分解を求めるのも、この考え方の基礎となっています。

まとめ

因数分解とは因数の積に表すことですが、学校数学では『これ以上分解できない形』まで分解したものを完成形として扱います。100x²-36の場合、4(25x²-9)は途中段階であり、4(5x+3)(5x-3)が通常求められる答えです。また、(10x+6)(10x-3)は展開すると100x²-36にならないため、この式の因数分解としては成立しません。因数分解の完成形を求める考え方は、数学全体で重要な『既約な形に整理する』という発想につながっています。

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