「働かせる」「働かさせる」「働かせられる」「働かさせられる」の違いとは?使役・受身・使役受身をわかりやすく解説

日本語

日本語には「使役」「受身」「使役受身」と呼ばれる文法があり、似たような形の言葉が数多く存在します。特に「働かせる」「働かさせる」「働かせられる」「働かさせられる」は混同されやすく、誤用かどうか迷う人も少なくありません。本記事では、それぞれの意味や文法上の位置付けを整理しながら、自然な使い方を解説します。

まずは使役と受身の基本を理解する

動詞「働く」を例に考えると、日本語では他人に何かをさせる表現を「使役」、何かをされる表現を「受身」と呼びます。

例えば「上司が部下を働かせる」は使役で、「部下が上司にほめられる」は受身です。

さらに「働かせられる」のように、使役と受身が組み合わさった形を「使役受身」と呼びます。

「働かせる」の意味

「働かせる」は動詞「働く」の使役形です。

意味は「他人に働いてもらう」「他人を働く状態にする」です。

例文としては次のようなものがあります。

  • 社長が社員を働かせる。
  • 親が子どもを働かせる。

標準的で最も一般的な表現です。

「働かさせる」は誤用なのか

「働かさせる」は、いわゆる「さ入れ言葉」と呼ばれる形です。

文法的な標準形は「働かせる」であり、学校文法や公的な文章では通常こちらが推奨されます。

ただし、話し言葉では「行かさせる」「読まさせる」などと同様に使われることがあり、実際の会話では耳にする機会もあります。

表現 評価
働かせる 標準的
働かさせる 口語では見られるが標準形ではない

試験やビジネス文書では「働かせる」を使うのが無難です。

「働かせられる」の意味

「働かせられる」は使役受身の形です。

意味は「誰かによって働くことを強いられる」「働かされる」です。

例えば次のように使います。

  • 休日なのに上司に働かせられる。
  • アルバイトが長時間働かせられる。

本人の意思に反して働くニュアンスが含まれることが多い表現です。

「働かさせられる」の意味と扱い

「働かさせられる」は「働かさせる」の受身形です。

文法的には成立するものの、「働かせられる」と比べると冗長で、標準的な日本語としてはあまり推奨されません。

会話では聞かれることがありますが、公的な文章や試験では避けられる傾向があります。

例えば「部下が残業を働かさせられた」という表現より、「部下が残業を働かせられた」の方が自然です。

なぜ混乱しやすいのか

五段活用動詞では、使役形に「せる」と「させる」が混在して見えるため、話し言葉で形が伸びやすい傾向があります。

また、「食べさせる」「見させる」などの形に引っ張られ、「働かさせる」も自然に感じる人がいるためです。

しかし、標準的な文法では「働く→働かせる→働かせられる」という変化を覚えておくと迷いにくくなります。

まとめ

「働かせる」は標準的な使役表現、「働かせられる」は標準的な使役受身表現です。一方で「働かさせる」「働かさせられる」は会話で使われることはあるものの、一般的な文法や公的な文章では標準形とはされません。迷った場合は「働かせる」「働かせられる」を選ぶと自然で正確な日本語になります。

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