MOSFETを購入した際に本物かどうかを判定することは、電子回路設計者にとって重要なステップです。特にネット通販や海外サイトで購入した場合、偽造品が混入している可能性もあります。本記事では、手元の機材(安定化電源、LCRメーター、耐圧テスター)を使った実践的な確認方法を解説します。
MOSFETの基本特性を確認する
MOSFETの主要特性としては、ドレイン-ソース間のオン抵抗(RDS(on))、ゲート閾値電圧(VGS(th))、および耐圧(VDS)があります。
これらの値はデータシートに記載されており、測定値と照合することでおおよその真偽を判断できます。
まずは、データシートを入手し、測定対象のMOSFETの型番に対応する代表値を確認しておきましょう。
RDSONの測定方法
RDS(on)は、MOSFETがオン状態のときのドレイン-ソース間抵抗です。
安定化電源を用い、ゲートに十分な電圧を加えてMOSFETをオン状態にします。その後、ドレイン-ソース間電圧と電流を測定し、R=V/Iで算出します。
実測値がデータシートの範囲内であれば、性能面では概ね正規品と判断できます。
注意点として、測定時の温度や電流条件によってRDS(on)は変化するため、データシート条件に合わせることが重要です。
耐圧測定で絶縁破壊を確認
耐圧測定は、MOSFETが規定のドレイン-ソース間電圧に耐えられるかを確認する方法です。
耐圧テスターを使用して徐々に電圧を上げ、リーク電流や破壊の有無を確認します。
ただし、この方法はMOSFETを破壊する危険があるため、破壊前に測定を止めるか、データシート記載の安全マージン内で測定することが望ましいです。
LCRメーターでゲート容量をチェック
LCRメーターはMOSFETのゲート容量や寄生容量を測定できます。
ゲート-ソース間の容量が極端に異なる場合は、偽造品の可能性があります。特に小型MOSFETでは容量が規定値に近いことが重要な確認ポイントです。
ただし、個体差や温度で容量は変動するため、絶対値ではなくデータシート値との比較を行います。
複合的な確認手順の例
実践的には、以下の手順で確認することが推奨されます。
- データシートからRDS(on)、VDS、ゲート容量を確認。
- 安定化電源でMOSFETをオンにし、RDS(on)を測定。
- 耐圧テスターで規定範囲内のVDSを印加し、リーク電流を確認。
- LCRメーターでゲート容量を測定し、データシート値と比較。
これらを組み合わせることで、単一の測定だけでは判断しづらい偽造品の可能性を低減できます。
測定時の注意点
いずれの測定も過電圧や過電流によってMOSFETを破壊する可能性があります。
特に耐圧測定は慎重に行い、データシートで指定されている限界電圧の範囲内で実施してください。
また、測定前にMOSFETのピン配置を正確に確認することも重要です。
まとめ
MOSFETの本物判定には、RDS(on)測定、耐圧測定、ゲート容量測定の組み合わせが有効です。
これらをデータシート値と比較することで、偽造品や性能不良品をある程度判別できます。
測定時には破壊のリスクや測定条件に注意し、複数の特性を総合的に確認することで、安全かつ確実に本物判定を行うことが可能です。


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