アポロ11号は月からどうやって離陸したのか?月面着陸船の仕組みをわかりやすく解説

天気、天文、宇宙

アポロ11号の月面着陸については知っていても、「月からどうやって地球へ帰ったのか」が気になる人は少なくありません。月は地球より重力が弱いとはいえ、宇宙へ飛び立つには大きなエネルギーが必要そうに見えます。実は、アポロ計画では月面着陸船(LM:ルナモジュール)が離陸を前提に設計されており、地球から持ち込んだ燃料を使って月面から飛び立っていました。

月面着陸船は上下に分かれていた

アポロ11号で使用された月面着陸船は、一つの機体ではなく「降下段」と「上昇段」の二つの部分で構成されていました。

降下段は月面に着陸するための脚や着陸用エンジンを搭載しており、着陸後はそのまま月面に残されます。

宇宙飛行士が帰還するときに使用したのは、上に載っている上昇段だけでした。

構成 役割
降下段 月面への着陸、着陸脚の役割
上昇段 月面からの離陸と司令船への帰還

離陸時は上昇段だけが飛び立った

月面での任務が終了すると、上昇段のエンジンに点火し、下に残した降下段から切り離されました。

つまり、着陸時よりも軽い状態で離陸したことになります。

地球でロケットを打ち上げる場合は巨大な燃料タンクや複数段ロケットが必要ですが、月では重力が地球の約6分の1であり、大気もないため、比較的小さなエンジンでも離陸できました。

なぜそれほど大きな推進力が不要だったのか

地球から宇宙へ行く場合、大きなエネルギーが必要になる理由の一つは大気抵抗です。

しかし月にはほとんど大気が存在しないため、空気との摩擦を考える必要がありません。

また、月の脱出速度は約2.4km/sで、地球の約11.2km/sよりかなり低くなっています。

このため、月面離陸専用の小型ロケットでも十分な性能を発揮できました。

離陸後は直接地球へ向かったわけではない

月面から飛び立った上昇段は、そのまま地球へ帰ったわけではありません。

まず月の周回軌道を飛行していた司令船と合流(ランデブー)し、ドッキングを行いました。

宇宙飛行士や採取した月の石などは司令船へ移され、上昇段は切り離されます。

その後、司令船だけがエンジンを噴射して地球への帰還軌道に入りました。

月面離陸エンジンはシンプルな設計だった

アポロ計画では、月面離陸エンジンの信頼性が最重要課題でした。

もしエンジンが故障すれば宇宙飛行士は月面に取り残されてしまうためです。

そのため、複雑な再点火機構や可動部分を減らし、一度確実に点火すれば停止するまで燃焼し続けるシンプルな構造が採用されました。

この設計思想によって、アポロ計画での月面離陸はすべて成功しています。

月面離陸の様子を身近な例で考える

地球から宇宙へ行くロケットを高い山に荷物を背負って登る人に例えるなら、月面からの離陸は低い丘を軽装で登るようなものです。

重力が小さく、大気抵抗もなく、さらに不要な着陸装置を置いていくため、必要なエネルギーは大幅に少なくなります。

もちろん簡単ではありませんが、地球からの打ち上げに比べると条件はかなり有利でした。

まとめ

アポロ11号の月面着陸船は、着陸用の降下段と離陸用の上昇段に分かれていました。帰還時には上昇段だけが月面から飛び立ち、月周回中の司令船とドッキングした後、地球へ帰還しています。

月は重力が地球の約6分の1で大気もほとんどないため、地球ほど大きなロケットは必要ありませんでした。こうした工夫によって、人類初の月面着陸と安全な帰還が実現したのです。

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