非常用発電機の年次点検手順|停電試験・自動起動・自動停止を効率よく確認する方法

工学

非常用発電機を設置している需要家の年次点検では、停電時の自動起動および復電時の自動停止機能の確認が重要な項目となります。しかし、実際の停電を伴う試験は設備構成や需要家との調整が必要であり、効率的かつ安全に実施するためには適切な手順を理解しておく必要があります。本記事では、一般的な非常用発電機設備における年次点検時の確認方法や注意点について解説します。

非常用発電機の年次点検で確認する主な項目

非常用発電機の年次点検では、単にエンジンが始動するかだけでなく、停電検出から発電機起動、負荷切替、復電検出、商用電源復帰後の停止動作まで一連のシーケンスを確認します。

主な確認項目は以下の通りです。

  • 停電検出機能
  • 発電機自動起動機能
  • 非常用負荷への切替機能
  • 商用電源復帰検出機能
  • 自動復帰および自動停止機能
  • 各種警報・表示機能

VCB開放による自動起動確認は可能か

設備構成にもよりますが、一般的にはVCBを開放することで発電機の自動起動を確認できるケースがあります。

非常用発電機は通常、発電機制御盤やATS(自動切替開閉器)が商用電源の電圧喪失を検出して起動指令を出します。そのため、VCB開放によってATSや停電検出回路が電圧喪失を認識できる構成であれば、自動起動試験として有効です。

ただし設備によってはVCB開放だけでは停電信号が発生しない場合もあります。そのため、事前に単線結線図やシーケンス図を確認し、停電検出回路がどこで電圧を監視しているか把握しておくことが重要です。

効率的な停電試験の一般的な流れ

実務では次のような流れで実施されることが多くあります。

手順 内容
1 発電機制御盤を自動モードに設定
2 需要家へ停電試験開始を連絡
3 VCB開放または停電模擬試験実施
4 発電機自動起動確認
5 非常用負荷への切替確認
6 VCB投入または復電操作
7 商用電源復帰確認
8 発電機自動停止確認

この方法であれば、自動起動から自動停止までを一連の動作として確認できます。

自動停止確認の方法と注意点

自動停止確認については、発電機を手動運転してから自動へ切り替えて停止させる方法では、本来の復電時自動停止シーケンスの確認にはなりません。

本来確認したいのは「商用電源復帰を検出した結果として発電機が自動停止すること」です。そのため、可能であれば停電模擬試験後に復電操作を行い、実際のシーケンスによって自動停止することを確認するのが望ましい方法です。

設備によってはクーリング運転時間が設定されており、復電後すぐには停止せず数分間アイドリング運転を行った後に停止する仕様もあります。

設備ごとに異なるためシーケンス確認が重要

非常用発電機設備はメーカーや設置年代によって構成が異なります。

ATS方式、VCB連動方式、受電監視方式など制御方法が異なるため、他現場の手順をそのまま適用できない場合があります。

年次点検前には次の資料を確認しておくと作業がスムーズになります。

  • 単線結線図
  • シーケンス図
  • 発電機取扱説明書
  • ATS取扱説明書
  • 前回点検記録

まとめ

非常用発電機の年次点検では、停電検出から自動起動、復電検出から自動停止までを一連の流れとして確認することが重要です。VCB開放による自動起動確認は設備構成によっては有効ですが、停電検出回路の位置を事前に確認する必要があります。また、自動停止確認は手動運転から停止させるのではなく、復電シーケンスによる停止動作を確認することが望ましい方法です。効率的な点検のためにも、事前にシーケンス図や結線図を確認し、設備仕様に合わせた試験計画を立てることが大切です。

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