中学数学の文字式では、「1が消えたり残ったりする理由が分からない」と感じる人が多いです。特に、文字式の掛け算や割り算では、数字の“1”が見えなくなる場面があるため、混乱しやすくなります。
例えば、(10a²b+5b)÷(-5b) の計算では、答えが -2a²-1 になります。しかし、「なぜ最後の1は残るのに、他では1を書かないの?」という疑問を持つ人は少なくありません。
この記事では、「1を残す時」と「省略する時」の違いを、中学生向けにできるだけわかりやすく整理して解説します。
まずは問題を確認してみる
問題は次の式です。
(10a²b+5b)÷(-5b)
割り算は、それぞれの項に分けて計算できます。
(10a²b)÷(-5b)+(5b)÷(-5b)
これを順番に計算すると、
(10÷-5)×a²×(b÷b)+(5÷-5)×(b÷b)
となります。
b÷b が「1」になる理由
同じ文字同士を割ると、1になります。
例えば、
- b÷b=1
- x÷x=1
- 7÷7=1
です。
これは「同じ数で割ると1になる」という普通の割り算と同じ考え方です。
そのため、最初の式では b÷b が1になります。
なぜ「1」が消える時と消えない時があるの?
ここが一番大事なポイントです。
数学では、掛け算の1は省略できるというルールがあります。
例えば、
- 1×a → a
- 1×x² → x²
のように、1をわざわざ書きません。
今回の最初の項では、
-2×a²×1
となりますが、掛け算の1は省略できるので、
-2a²
になります。
では、なぜ最後の「-1」は消えないのか
次の項を見てみます。
(5b)÷(-5b)
これは、
(5÷-5)×(b÷b)
=-1×1
=-1
となります。
ここでは、「-1」が答えそのものなので、省略できません。
“掛け算の途中にある1”は省略できるけれど、“答えそのものの1”は消せないというのがポイントです。
具体例で違いを整理してみる
| 式 | 結果 | 理由 |
|---|---|---|
| 1×a | a | 掛け算の1だから省略 |
| -1×x | -x | 1は省略、マイナスだけ残す |
| 5÷5 | 1 | 答えそのものなので残す |
| (5b)÷(-5b) | -1 | 計算結果なので残す |
この違いを意識すると、かなり分かりやすくなります。
「見えない1」は数学でよく出てくる
数学では、「書いていないけど実は1」という場面がたくさんあります。
例えば、
- a は 1a
- -x は -1x
- x² は 1x²
という意味です。
つまり、数学では「1を省略する文化」があるため、途中で混乱しやすいのです。
慣れるまでは、“本当は1がある”と意識すると理解しやすくなります。
まとめ
文字式で「1を残す時」と「消える時」の違いは、その1が掛け算の一部なのか、答えそのものなのかで決まります。
掛け算の途中にある1は省略できますが、計算結果として出てきた1や-1は消せません。
今回の問題では、-2a² の中の1は省略され、最後の -1 は答えそのものなので残る、という仕組みです。
この考え方を覚えると、文字式の計算がかなりスムーズになります。


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