精神科や内科などで診察を受けた際、医師がカルテに読めない文字を書いていて、「ドイツ語?」「英語?」と気になった経験がある人は少なくありません。
特に手書きカルテの場合、独特な略語や専門用語が多く、外国語のように見えることがあります。
実際、日本の医師は医学教育の中で英語や一部ドイツ語由来の用語に触れる機会が多く、現在でも診療現場で使われることがあります。ここでは、なぜ医師が英語やドイツ語のような言葉を書くのか、その背景をわかりやすく解説します。
昔の日本医学はドイツ医学の影響を強く受けていた
日本の近代医学は、明治時代にドイツ医学を基礎として発展した歴史があります。
そのため、現在でも医療現場ではドイツ語由来の専門用語が残っています。
例えば、医療現場で比較的知られている言葉には次のようなものがあります。
| 言葉 | 由来 | 意味 |
|---|---|---|
| カルテ | ドイツ語 | 診療記録 |
| ギプス | ドイツ語 | 固定具 |
| ノイローゼ | ドイツ語 | 神経症 |
| メス | オランダ語経由 | 手術用ナイフ |
精神科では特に昔ながらの表記が残っている医師もおり、手書きカルテでドイツ語風の略語を書くケースがあります。
現在は英語ベースの医学用語が主流
現在の医学教育では、英語が中心です。
論文、学会、海外文献などはほとんど英語であり、医学生も英語の専門用語を大量に学びます。
そのため、多くの医師は最低限の医学英語を理解しています。
カルテにも英語略語が多く使われます。
- BP(血圧)
- HR(心拍数)
- Dx(診断)
- Rx(処方)
- Pt(患者)
患者から見ると「外国語だらけ」に見えることもありますが、医師同士では効率的な共通言語として使われています。
手書きカルテは特に読みにくく見えやすい
昔から「医者の字は読めない」と言われることがあります。
これは忙しい診療中に素早く記録を書くため、略語や独特な筆記になりやすいからです。
精神科では診察内容が会話中心になるため、医師ごとの独自メモが多くなり、さらに解読しにくく感じることがあります。
例えば、患者さんの状態を短く記録するために、英語・ドイツ語・日本語略語が混ざることもあります。
精神科医は外国語が得意な人が多いの?
医師全体として、一般の職業より英語に触れる機会はかなり多いです。
ただし、「ペラペラに会話できる」という意味では個人差があります。
論文を読むレベルの英語力は必要ですが、日常英会話が得意とは限りません。
一方で、ベテラン医師の中には、昔の医学教育の影響でドイツ語に慣れている人もいます。
特に年配の医師ほど、カルテにドイツ語由来の略語を書くケースがあります。
電子カルテ化で減ってきている
最近は電子カルテが主流になり、昔のような手書きドイツ語カルテは減少傾向です。
電子カルテでは定型入力が増え、英語略語は残るものの、独特な筆記は少なくなっています。
ただし、精神科や個人医院では今でも手書きを続けているケースもあり、昔ながらのスタイルを見ることがあります。
まとめ
精神科のカルテがドイツ語っぽく見えるのは、日本医学がドイツ医学の影響を強く受けてきた歴史があるためです。
現在は英語が主流ですが、年配の医師や手書きカルテでは、ドイツ語由来の略語や表現が残っていることがあります。
また、医師は医学英語に日常的に触れているため、一般の人より英語用語には慣れています。ただし、英会話力は人によって差があります。
カルテの文字が読めないのは珍しいことではなく、専門用語や略語、独特な書き方が重なっているためだと考えると分かりやすいでしょう。


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