微分方程式や曲線論では、「ある曲線群に常に直交して交わる曲線」を求める問題がよく登場します。これを直交截線(ちょっこうせっせん)と呼びます。
特に、「頂点と主軸を共有する放物線群」の直交截線は、計算だけでなく図形的な理解も重要な典型問題です。
この記事では、放物線群の方程式から出発して、直交截線を求める流れを順を追って解説します。
頂点と主軸を共有する放物線群とは
頂点を原点、主軸を y 軸とする放物線群は、一般に
x^2=4ay
で表されます。
ここで a は任意定数です。
a の値を変えることで、開き具合の異なる放物線が得られます。
例えば、
- a=1 → x^2=4y
- a=2 → x^2=8y
- a=1/2 → x^2=2y
などになります。
まずは微分方程式を作る
直交截線を求めるには、まず元の曲線群の接線の傾きを調べます。
放物線
x^2=4ay
を x で微分すると、
2x=4a(dy/dx)
となります。
ここで、元の式から
a=x^2/(4y)
なので代入すると、
dy/dx=2y/x
が得られます。
これが放物線群の接線の傾きです。
直交条件を使う
直交截線では、接線同士の傾きの積が −1 になります。
したがって、直交截線の傾きは
dy/dx=−x/(2y)
です。
これが直交截線の満たす微分方程式になります。
微分方程式を解く
変数分離を行うと、
2y dy=−x dx
となります。
両辺を積分すると、
y^2=−x^2/2+C
です。
整理すると、
x^2+2y^2=C
となります。
これが直交截線
したがって、
x^2=4ay
で表される放物線群の直交截線は、
x^2+2y^2=C
で与えられます。
これは楕円の族になっています。
なぜ楕円になるのか
放物線群は、原点から上方向へ開く曲線です。
それに常に直交するためには、横方向へ広がるような曲線が必要になります。
実際、
x^2+2y^2=C
は中心が原点の楕円です。
放物線と楕円が交わるとき、接線が直交することが確認できます。
直交截線問題でよく使う流れ
このタイプの問題は、ほぼ次の流れで解けます。
- 曲線群を微分する
- 定数を消去して微分方程式を作る
- 傾きを −逆数 にする
- 新しい微分方程式を解く
大学数学や微分方程式の初歩では非常に重要な手法です。
具体例で確認する
例えば、放物線
x^2=4y
上の点 (2,1) を考えます。
この点での接線傾きは
dy/dx=2y/x=1
です。
一方、直交截線の傾きは
−1
になります。
確かに積が −1 になり、直交していることが分かります。
まとめ
頂点と主軸を共有する放物線群
x^2=4ay
の直交截線を求めるには、まず微分して接線の傾きを求めます。
その後、直交条件を使って新しい微分方程式を作り、積分すると、
x^2+2y^2=C
が得られます。
つまり、この放物線群の直交截線は楕円群になります。
直交截線問題では、「接線の傾きを −逆数 にする」という考え方が本質なので、そこを理解すると他の問題にも応用しやすくなります。


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