DNAの塩基対数やアミノ酸数を使った計算問題は、生物基礎や大学受験の生物で頻出です。特に「遺伝子数」「タンパク質の種類数」「DNAの全長」を求める問題は、式の意味を理解できていないと混乱しやすい分野です。
この記事では、DNAの塩基対数からタンパク質数やDNAの長さを求める方法について、途中式を省略せずにわかりやすく解説します。
まず問題文の情報を整理する
今回の問題では、以下の情報があります。
| 条件 | 数値 |
|---|---|
| DNAの塩基対数 | 5.1×10^7塩基対 |
| 合成されるアミノ酸総数 | 1.7×10^7個 |
| アミノ酸平均分子量 | 120 |
| 1遺伝子あたり | 1500塩基対 |
| タンパク質平均分子量 | 6.0×10^4 |
| 10塩基対の長さ | 3.4nm |
求めるのは、
- (エ)タンパク質の種類数
- (オ)DNAの全長
です。
(エ)タンパク質の種類数の求め方
まずは、1つのタンパク質が何個のアミノ酸からできているかを考えます。
アミノ酸の平均分子量は120、タンパク質の平均分子量は6.0×10^4なので、
タンパク質1個あたりのアミノ酸数は、
6.0×10^4 ÷ 120
となります。
計算すると、
5.0×10^2 = 500個
つまり、平均的なタンパク質1個は約500個のアミノ酸でできています。
ここで全アミノ酸数を使う
問題文では、全体で1.7×10^7個のアミノ酸があると書かれています。
つまり、
1.7×10^7 ÷ 500
を計算すれば、作られるタンパク質数が求められます。
500 = 5.0×10^2なので、
1.7×10^7 ÷ 5.0×10^2
= 0.34×10^5
= 3.4×10^4
となります。
したがって(エ)は 3.4×10^4 種類です。
なぜ「種類数」になるのか
この問題では、「1遺伝子→1種類のタンパク質を合成する」という前提で考えています。
つまり、タンパク質の数を求めることが、そのまま遺伝子数やタンパク質種類数につながっています。
大学受験生物では、
- 1遺伝子 → 1ポリペプチド
- 3塩基 → 1アミノ酸
という基本ルールを使う問題が非常によく出ます。
(オ)DNA全長の求め方
次はDNAの長さです。
問題文では、
「塩基対10個分の長さが3.4nm」
とあります。
つまり、1塩基対あたりは、
3.4nm ÷ 10 = 0.34nm
です。
全塩基対数をかける
DNA全体は5.1×10^7塩基対あるので、
5.1×10^7 × 0.34nm
を計算します。
すると、
1.734×10^7nm
となります。
nmをmに変換する
ここで単位変換が必要です。
1nm = 10^-9m なので、
1.734×10^7nm
= 1.734×10^7 ×10^-9m
= 1.734×10^-2m
約すると、
1.7×10^-2m
となります。
これが(オ)の答えです。
この問題で重要な考え方
このタイプの問題では、単に暗記するのではなく、
- DNA → RNA → タンパク質
- 3塩基で1アミノ酸
- 分子量から個数を逆算する
- 単位変換を丁寧にする
という流れを理解することが重要です。
特にnm→mの変換でミスする人は多いため、指数計算を落ち着いて行うことが大切です。
類題でよくあるミス
受験生がよくやるミスとしては、
- 平均分子量をそのまま掛けてしまう
- 500ではなく120で割る
- nmをμmにしてしまう
- 指数の符号を逆にする
などがあります。
計算途中を省略しすぎないことが、正答率アップにつながります。
まとめ
今回の問題では、タンパク質平均分子量から「1タンパク質あたりのアミノ酸数」を求め、それを全アミノ酸数で割ることで(エ)のタンパク質種類数を求めました。
また、DNA全長は「1塩基対あたりの長さ」を求めてから、総塩基対数を掛け、最後にnmをmへ変換することで求められます。
生物の計算問題は、一つひとつの意味を理解すると急に解けるようになるため、式だけでなく「なぜその式になるのか」を意識して学習することが大切です。


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