射出成形機を立ち上げた際、「手動ではワンショットできるのに、半自動や自動にすると計量完了後で止まってしまう」というトラブルは比較的よくあります。
特にSE-D系の成形機では、安全回路や条件成立信号が不足していると、自動シーケンスへ進まないことがあります。
この記事では、計量完了後に次工程へ進まない場合に確認したいポイントを、現場目線で整理して解説します。
まず確認したい「どこで止まっているか」
最初に重要なのは、「本当に計量完了まで終わっているのか」を確認することです。
成形機の画面上では計量完了表示になっていても、実際には条件成立信号が入っていないケースがあります。
特に確認したいのは次の項目です。
- 計量完了信号
- 型締完了信号
- 安全扉インターロック
- エジェクタ原点復帰
- ノズル前進完了
これらのどれかが未成立だと、自動サイクルは次へ進みません。
SE-D系で多い「型締条件未成立」
SE-D系では、型締側の条件が残っていると、自動シーケンスが停止することがあります。
特に、手動では射出できても、自動では型締確認が優先されるため、自動運転だけ止まるケースがあります。
例えば次のような状態です。
| 症状 | 確認内容 |
|---|---|
| 半自動で停止 | 型締完了信号 |
| 自動で停止 | 安全扉・タイマ条件 |
| 計量後停止 | 冷却終了条件 |
| 動作待機状態 | エジェクタ戻り確認 |
特に金型交換後は、型厚設定や型締位置ズレで条件未成立になることがあります。
安全扉とインターロックの確認
意外と多いのが、安全扉やリミットスイッチ系です。
手動では動いても、自動運転では安全回路が厳密にチェックされます。
例えば、扉が少し浮いているだけでも、自動シーケンスは停止します。
「閉まって見える」だけでなく、「信号が入っているか」が重要です。
SE-Dでは、扉スイッチ接点不良や位置ズレも比較的あります。
エジェクタ戻り忘れもよくある
成形現場でかなり多いのが、エジェクタが完全に戻っていないケースです。
手動操作では気付きにくいですが、自動では「エジェクタ原点確認」が必要になります。
少しだけ前進位置に残っていると、次サイクルへ進みません。
特に清掃後や試運転後は、一度エジェクタを完全後退させて原点確認すると改善することがあります。
ノズル前進・後退条件の確認
機種によっては、ノズル位置条件が自動運転条件になっています。
例えば、「ノズル前進完了」や「ノズル後退完了」が成立していないと、次工程へ進みません。
油圧機では、センサ位置ズレや圧不足で微妙に未到達になることもあります。
その場合、画面上のI/Oモニタで入力信号を見ると原因特定しやすくなります。
半自動と自動で違う条件がある
半自動と自動では、必要条件が異なる場合があります。
半自動では、扉開閉を人が行う前提ですが、自動ではタイマや取出機信号との連動が必要になることがあります。
例えば、次のような条件です。
- 取出機待機信号
- コンベア連動
- サイクル開始信号
- 安全確認タイマ
周辺機器を接続している場合は、その信号異常も確認が必要です。
現場でまず試される基本確認
実際の現場では、次の順で確認することが多いです。
- アラーム履歴確認
- I/O信号確認
- 安全扉確認
- 型締完了確認
- エジェクタ原点確認
- ノズル位置確認
- 自動開始条件確認
特にI/Oモニタを見ると、「どの条件待ちなのか」が分かる場合があります。
もし画面に「待機中」「条件未成立」などの表示がある場合は、その文言が原因特定のヒントになります。
まとめ
SE-D系成形機で「手動では打てるのに、自動・半自動で計量後に止まる」場合は、安全条件や完了信号未成立が原因になっているケースが多いです。
特に確認したいのは、型締完了、安全扉、エジェクタ戻り、ノズル位置、周辺機器信号です。
また、手動では動いても、自動では複数条件が揃わないと次工程へ進みません。
I/Oモニタや条件表示を確認すると、どの信号待ちで停止しているか把握しやすくなります。


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