エアコン架台や屋外金物を選ぶとき、「ZAMのほうが錆びに強い」「いや海沿いは溶融亜鉛メッキが良い」など、さまざまな話を聞くことがあります。
実際、ZAMは非常に高耐食な鋼板として知られていますが、現場によっては今でも溶融亜鉛メッキ製品が選ばれるケースがあります。
では、本当にZAMのほうが優れているのでしょうか。それとも用途次第なのでしょうか。
この記事では、ZAMと溶融亜鉛メッキの違い、海沿いで評価が分かれる理由、エアコン架台での使い分けをわかりやすく解説します。
ZAMとは何か
ZAMは、日本製鉄が開発した高耐食めっき鋼板の商品名です。
正式には。
- 亜鉛
- アルミニウム
- マグネシウム
を含む合金めっき鋼板です。
一般的な亜鉛めっきよりも、切断面や傷部分の耐食性が高いことで知られています。
特に「切った端部が錆びにくい」のがZAMの大きな特徴です。
溶融亜鉛メッキとは
溶融亜鉛メッキ(ドブメッキ)は、鉄を高温の溶けた亜鉛に浸してコーティングする方法です。
特徴としては。
- めっき層が厚い
- 物理的に頑丈
- 古くから実績が多い
という点があります。
電柱金具や橋梁、屋外設備などでも長年使われてきました。
つまり、「多少重くても、とにかく長期間耐えたい」という用途で非常に信頼されている材料です。
ZAMのほうが必ず優秀というわけではない
「ZAMは高耐食だから完全上位互換」と思われがちですが、実際は用途によって評価が変わります。
| 項目 | ZAM | 溶融亜鉛メッキ |
|---|---|---|
| 耐食性 | 高い | 高い |
| 切断面耐久 | 強い | やや弱い |
| 膜厚 | 比較的薄い | 厚い |
| 物理的強さ | 普通 | 強い |
| 実績 | 比較的新しい | 非常に多い |
つまり、単純な優劣ではなく、「どの環境で使うか」が重要なのです。
海沿いで溶融亜鉛メッキが好まれる理由
海沿いでは、塩分を含んだ潮風が金属を激しく腐食させます。
この環境では。
- 塩害
- 水分
- 傷
- 飛来粒子
などが重なります。
溶融亜鉛メッキは、めっき層そのものが厚いため、多少表面が劣化しても内部まで達しにくいという強みがあります。
一方、ZAMは高耐食ではありますが、製品によっては膜厚が比較的薄いことがあります。
そのため、超重塩害地域では「実績重視」で溶融亜鉛メッキを選ぶ現場も少なくありません。
エアコン架台で価格差が出る理由
エアコン架台では、溶融亜鉛メッキ品のほうが高価なケースがあります。
これは。
- めっき工程が重厚
- 膜厚が厚い
- 重量が増える
- 大型設備が必要
などの理由があります。
また、屋外設備では「長年の実績」が重視されるため、価格が高くても溶融亜鉛メッキが選ばれることがあります。
特に業務用設備や海沿い設備では、“安心料”も含まれていると考えると分かりやすいです。
ZAMが向いているケース
ZAMは、次のような環境で非常に評価されています。
- 一般屋外
- 加工が多い部材
- 軽量化したい製品
- 切断面が多い構造
特に、切断部の自己防食性が強いため、加工性との相性が良いです。
最近では。
- 太陽光架台
- 空調部材
- 建築金物
などでも広く使われています。
結局どちらを選ぶべきか
結論としては、「どちらが絶対上」というより。
- 使用環境
- 塩害レベル
- 寿命要求
- コスト
で選ぶべきです。
例えば。
| 環境 | 向いている例 |
|---|---|
| 一般地域 | ZAMでも十分高性能 |
| 海沿い | 溶融亜鉛メッキを選ぶ場合も多い |
| 重塩害地域 | 厚膜メッキや追加防食が有利 |
という感じになります。
まとめ
ZAMは非常に優秀な高耐食めっき鋼板ですが、用途によっては今でも溶融亜鉛メッキが選ばれています。
特に海沿いでは、厚いめっき層と長年の実績を理由に、溶融亜鉛メッキを好む現場も多いです。
一方で、ZAMは切断面の耐食性や加工性に優れており、一般屋外用途では非常に高性能です。
つまり、「ZAMか亜鉛メッキか」ではなく、「どの環境で何年使うか」を基準に考えることが重要なのです。


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