化学で登場する「NO2+(ニトロニウムイオン)」は、ルイス構造式の練習問題としてよく出題されるイオンです。
ただし、中性分子のNO2とは電子数が異なるため、「なぜ二重結合になるのか」「プラス電荷はどこにあるのか」で混乱しやすい分子でもあります。
この記事では、NO2+のルイス構造式の書き方を、価電子数・形式電荷・分子形まで含めてわかりやすく整理します。
NO2+とは何か
NO2+は「ニトロニウムイオン」と呼ばれる陽イオンです。
硝酸と濃硫酸の混合物などで生成され、有機化学ではニトロ化反応にも関係します。
構成元素は、
- 窒素(N)1個
- 酸素(O)2個
です。
さらに全体で+1の電荷を持っています。
まず価電子数を計算する
ルイス構造式では、最初に価電子の総数を求めます。
| 元素 | 価電子数 | 個数 | 合計 |
|---|---|---|---|
| N | 5 | 1 | 5 |
| O | 6 | 2 | 12 |
合計は17個ですが、NO2+はプラス1価なので電子を1個失っています。
したがって、
17−1=16個
がNO2+全体の価電子数になります。
NO2+のルイス構造式
窒素を中央に置き、両側に酸素を配置します。
電子を16個使って最も安定になる構造を考えると、両方が二重結合になります。
構造は次のようになります。
[O=N=O]+
つまり、
- NとOが二重結合
- 窒素の孤立電子対は0個
- 各酸素には孤立電子対が2組
となります。
なぜ二重結合になるのか
もし片方だけ二重結合にすると、形式電荷が大きくなり不安定になります。
両方を二重結合にすると、各原子がオクテット則を満たしやすくなります。
また、形式電荷を計算すると、最も安定な配置であることがわかります。
形式電荷の確認
| 原子 | 形式電荷 |
|---|---|
| 中央N | +1 |
| O | 0 |
| O | 0 |
全体で+1になるため、NO2+の電荷とも一致します。
NO2+の分子形は直線形
NO2+はルイス構造だけでなく、分子形もよく問われます。
中央の窒素には孤立電子対が存在しないため、電子対反発理論(VSEPR理論)では直線形になります。
つまり、
O=N=O
が一直線に並びます。
結合角は約180°です。
NO2との違いに注意
混乱しやすいのが、中性のNO2との違いです。
| 化学種 | 電子数 | 特徴 |
|---|---|---|
| NO2 | 17個 | 奇数電子でラジカル |
| NO2+ | 16個 | 安定した直線形 |
NO2は電子が奇数個なので、不対電子を持つラジカルになります。
一方、NO2+は電子数が偶数で、比較的きれいなルイス構造を書きやすい分子です。
ルイス構造を書くときのコツ
NO2+のような問題では、次の順番で考えるとミスが減ります。
- 価電子数を合計する
- イオン電荷で電子数を調整する
- 中心原子を決める
- 単結合でつなぐ
- オクテット則を満たすよう調整する
- 形式電荷を確認する
特に「イオンなので電子数を増減する」という点を忘れると、構造がずれやすくなります。
まとめ
NO2+(ニトロニウムイオン)のルイス構造式は、
[O=N=O]+
となり、窒素と2つの酸素がそれぞれ二重結合でつながっています。
価電子数は16個で、中央の窒素に形式電荷+1が存在します。
また、窒素に孤立電子対が無いため、分子形は直線形になります。
NO2とNO2+は電子数が異なるため、ルイス構造や性質も大きく変わる点に注意すると理解しやすくなるでしょう。


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