「宇宙空間には空気抵抗がないから、一度回した物体は永遠に回り続けるのでは?」と考えたことがある人は多いでしょう。
実際、宇宙では地球よりずっと摩擦が少ないため、回転はかなり長く続きます。
では、それは永久機関なのでしょうか。
この記事では、「宇宙での回転」と「永久機関」の違いを、物理法則をもとに分かりやすく解説します。
宇宙では確かに回転が止まりにくい
地球上では、回転する物体は徐々に止まります。
理由は。
- 空気抵抗
- 軸の摩擦
- 接触面の抵抗
などがあるからです。
しかし宇宙空間はほぼ真空なので、空気抵抗がほとんどありません。
そのため、一度回転を始めた物体は、非常に長い時間回り続けます。
実際、人工衛星や惑星も長期間回転しています。
でも「永久機関」ではない理由
ここで重要なのが、「回り続けること」と「エネルギーを無限に取り出せること」は別だという点です。
永久機関とは、一般的に。
外部からエネルギーを与えず、無限に仕事をし続ける装置
を指します。
例えば。
- 永遠に発電できる
- 無限にモーターを回せる
- 永久にエネルギーを生み出せる
なら永久機関です。
しかし、宇宙で回転している物体からエネルギーを取り出そうとすると、回転エネルギーは減っていきます。
発電すると回転は遅くなる
例えば、宇宙で巨大な円盤を回転させ、その回転を使って発電したとします。
すると発電機はエネルギーを取り出すため、回転を少しずつ減速させます。
これは自転車のダイナモに似ています。
ダイナモを使うとライトは点きますが、ペダルが重くなりますよね。
つまり。
エネルギーを取り出すと、その分だけ運動エネルギーが減る
のです。
これはエネルギー保存則によるものです。
宇宙でも完全な無抵抗ではない
さらに、宇宙空間も完全に何もないわけではありません。
実際には。
- 微量なガス
- 太陽風
- 重力の影響
- 磁場との相互作用
などがあります。
そのため、超長期的には少しずつエネルギーを失います。
人工衛星も姿勢制御を続けないと、回転状態が変化することがあります。
地球や惑星も「長く回る物体」
実は、地球も宇宙で回転し続けています。
地球の自転は約24時間ですが、完全に一定ではありません。
月の引力による潮汐摩擦などで、少しずつ自転速度は遅くなっています。
つまり、宇宙でも回転は「ほぼ維持される」が、「完全永久」ではないのです。
なぜ永久機関は作れないのか
物理学では、永久機関は熱力学の法則に反するとされています。
特に重要なのが。
- エネルギー保存則
- 熱力学第二法則
です。
簡単に言えば、エネルギーは勝手に増えません。
また、エネルギーを100%無駄なく利用し続けることもできません。
そのため、「無限に動き続けながら無限に仕事をする装置」は実現できないと考えられています。
まとめ
宇宙空間では空気抵抗がほとんどないため、一度回転した物体は非常に長く回り続けます。
しかし、それだけでは永久機関にはなりません。
なぜなら、回転からエネルギーを取り出すと回転速度が落ち、さらに宇宙空間でもわずかなエネルギー損失が存在するからです。
つまり、「止まりにくい回転」と「無限にエネルギーを生み出す永久機関」は、似ているようで全く別のものなのです。


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