単振動(単純調和振動)は、バネや振り子のような系で、復元力が変位に比例する場合に起こる運動です。初速度がある場合でも、運動の基本的な周期や振幅の考え方を理解することが重要です。
初速度がある場合の単振動の基本式
単振動の運動方程式は、質量 m、バネ定数 k の場合、次のように表されます。
m x” + k x = 0
一般解は次の通りです。
x(t) = A cos(ω t) + B sin(ω t)
ここで ω = √(k/m) は角振動数、A と B は初期条件によって決まります。初期位置 x(0) = x₀、初速度 x'(0) = v₀ から A = x₀、B = v₀/ω となります。
周期への影響
周期 T は角振動数 ω により決まり、T = 2π/ω です。ここで重要なのは、初速度 v₀ がどのような値であっても、周期には影響がないという点です。周期は質量 m とバネ定数 k にのみ依存します。
振幅への影響
振幅は、運動の最大変位です。初速度がある場合の振幅は次の式で求められます。
振幅 X = √(A² + B²) = √(x₀² + (v₀/ω)²)
従って、初速度が大きいほど振幅は大きくなります。初速度ゼロなら振幅は初期位置に等しくなります。
振動中心の非対称性について
単振動は力学的に左右対称な運動です。中心は復元力がゼロとなる位置で、初速度がある場合でも、この中心からの振動の両端の距離は常に等しいです。従って、ネットで言われる「振動中心から振動の両端までの距離が非対称になる」という表現は正しくありません。
非対称に見える場合は、単振動ではなく、重力や摩擦など外力が加わっている場合や、測定誤差によるものです。
まとめ
- 初速度があっても単振動の周期は変わらない。
- 初速度があると振幅は大きくなる。振幅は √(x₀² + (v₀/ω)²) で計算できる。
- 振動中心からの距離は左右対称で、初速度によって非対称にはならない。
- 初速度を考慮する場合は、解を cos/sin の組み合わせで表現し、振幅と位相を求めると理解しやすい。


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