iPS細胞(人工多能性幹細胞)は、自分自身の細胞から作ることも可能ですが、コストや技術面の理由から、多くの場合は他人から提供された細胞を用いるケースがあります。この点に疑問を感じる人も少なくありません。
自家iPS細胞と他家iPS細胞の違い
自家iPS細胞とは、文字通り自分の体細胞から作られたiPS細胞です。この場合、作成した細胞は遺伝的に自分のものなので、免疫拒絶のリスクが低く、倫理的にも自己完結型と考えられます。
一方、他人由来のiPS細胞(他家iPS細胞)を使用する場合、遺伝子情報は他者由来であるため、厳密には自分の体の一部とは言えません。免疫拒絶を避けるためには、HLA適合や免疫抑制が必要になる場合があります。
他人のiPS細胞は臓器移植と同じか?
機能的には、自分の臓器として体内で働くことを目指す点では臓器移植と類似します。ただし、iPS細胞はまだ培養段階で操作が可能で、必要な組織や臓器に分化させることができるという点で、従来の臓器移植とは異なる特徴があります。
つまり、他人由来iPS細胞を使った場合は遺伝的には他者のものですが、最終的に体内で機能する臓器としては自分の体の一部として扱われることが期待されます。
自分の細胞と言えるのか?
倫理的・哲学的観点では、他人由来の場合は『完全に自分の細胞』とは言えません。しかし、医療的観点では、iPS細胞から作られた臓器や組織が体内で機能する限り、自己の一部として扱われる場合もあります。
結論として、iPS細胞は使用する由来によって『自分の細胞』と考えられる範囲が変わります。自家iPS細胞は完全に自己由来ですが、他家iPS細胞は自己完結ではないものの、医療的には自己の体の一部として利用可能です。
まとめ
iPS細胞は自分の細胞から作ることができれば完全に自己由来です。しかし、現実的には多くの場合、他人由来の細胞が使われます。この場合、遺伝的には他人のものですが、最終的に体内で機能する臓器としては自分の体の一部として扱われることがあります。iPS細胞は臓器移植と似て非なる技術であり、倫理的・医療的な折り合いをつける必要があります。


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